藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

last-minute cancellation-ドタキャン。

そういえば「ドタキャン」という言葉を聞いたのはもう二十年も前だろうか。
つまりそれ以前の時代には「直前の辞退」というこういはあっても「ドタキャン」という愛嬌ある表現はなかったわけである。
それ以降、そうした「愛称」をつけられて救われた行為はずい分あるように思う。
それにしても、土壇場にきて、それでも体裁がてきずに「相手に不義理をする」という事態に"略語"を当て嵌めたのは現代人の知恵というか恥じらい?ではないだろうか。

もう許されない生活の慣習なのだが「ドタキャンしてしまって」という一言で、何か「軽さ」を纏えるような誤解がある。
言葉は年代を経るにつれ、時代に合わせて「柔らかに」けれど鋭くその時代の言いたいことを表すような変異をしてゆくのだろう。
戦国時代や明治には許されなかった「ドタキャン」も、今の時代にはよくあることか、という気にさせられてしまうのである。

「駆け込み寺」「駆け込み乗車」「駆け込み寺」

4月1日から消費税率が5%から8%にアップします。

 例えば、100円ショップで税込み価格(tax‐inclusive price)が105円だった商品は108円になります。

 税率引き上げが間近になると「今のうちに買っておこう」という消費者心理(consumer mentality)が働き、商品やサービスへの需要が増加します。これを「駆け込み需要」と言います。英訳するとlast‐minute demandです。last‐minuteは「直前の、土壇場の」という意味です。last‐minute cancellationは、ぎりぎりになってからの取り消しですから「ドタキャン」のことです。

 百貨店や家電量販店などは駆け込み需要をにらんで、営業時間を延長するなど、あの手この手で消費者にまとめ買い(bulk purchase)を促しています。「4月の消費税引き上げ前の駆け込み需要で、耐久消費財の販売が好調だ」は、Thanks to last‐minute demand before a consumption tax hike in April, sales in durable goods have been brisk.と訳せます。

 駅のホームで「駆け込み乗車は危険ですので、おやめ下さい」というアナウンスをよく耳にしますね。英訳すると、For your safety, do not rush for the train.です。

 何か困ったことがあった時に、相談に乗ってくれたり、助けてくれたりする場所が「駆け込み寺」です。「学校の保健室は、子供たちの駆け込み寺となっている」は、A school nurse's office is a shelter for children.と訳せます。(金来ひろみ記者)

 ※今回は大阪府茨木市の長木寿幸さん、東京都町田市の井上博文さんの質問にお答えしました。

(2014年3月13日 読売新聞)
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