藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

先送りのけじめ

*[税制]次の世代に。
およげ!たいやきくん」は課税されなかった…て。
もう50年も前の話。
童謡か歌謡か。
無税か課税か軽減か(なんやそれ)。
贅沢品か否か。
税率は何%か。
 
中世から遡ってみても、世の東西で「税制度」が完成を見たことはない。
もし「この税制が最適」みたいなものを設計できればノーベル賞に輝くのは間違いないだろう。
またどうやって評価するかは微妙なところですが、せめて先進国でコンペくらいしてはどうだろうか。
北欧の税制を参考にして…とはよく聞くが、その方向性は一向に見えてこない。
戦後いろいろな局面があったとは思うが、50年経ってもまだ8%だの10%だの5%だのとまったく議論が進んでいないことに嘆息する。
 
政治家は何でも「あれを推せばこれがマズい」と玉虫色にしてしまうが、正面切って話をするべき。
(いや意図してわかりにくくしている部分もありそうだ。
でもこれからは「そういう時代」ではなくなるのじゃないだろうか。
30年ほど経った今の三十代以下の人たちは、そんな分かりにくい議論に付き合わないような気がしてならない。
ズバッと「税金は三割、ベーシックインカムと公務員と政治家は十分の一で」みたいなことを言い出すのではないだろうか。
時代を待つしかなさそうだ。
 
春秋 
「たいやき」はゼイタク品か否か。1970年代の半ばごろ、こういう論争があった。といっても実際にアンコの入った鯛(たい)焼きではなく、当時、大いに売れた「およげ!たいやきくん」の音盤に物品税をかけるかどうかで、国税当局とレコード会社が対立したのである。
 
▼物品税は毛皮や宝石など「奢侈(しゃし)」とされるものを対象としていた。何がゼイタク品で、どれだけ課税するかがこまごまと定められ、一般のレコードは15%だが童謡は非課税だった。しかし大ヒット曲を前に、国税はこれは大人向けの歌だと迫り、レコード会社はあくまでも童謡だと譲らない。結局は会社側の主張が通った。
 
▼似たような混乱が、客と店とで起きなければいい。きょうから消費税は10%。ただし食料品などは8%のままである。コンビニやファストフード店での持ち帰りは軽減税率、店内飲食は対象外だが、線引きは難しい。テークアウトで買って、気が変わる人がいるかもしれぬ。矢面に立つのは、国税ではなく店のスタッフだ。
 
▼「たいやき」の時代、物品税をめぐるゴタゴタは絶えず、それが「広く浅く」の消費税導入を促した。一件落着のはずだったが、いまや新たな線引き問題に頭が痛いから皮肉なものである。そうだ、鯛焼きといえば、あれも店先に腰掛けて食べたら税率10%、目の下三尺の本物の鯛も買って帰れば8%。いやになっちゃう?