藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

多様な選択

野球のことは全然詳しくないけれど、学歴とプロスポーツの話はしばしば耳にする。
プリンストンとかスタンフォード卒で活躍する野球選手が珍しくない、との記事だがアメリカと日本の「若者の生育環境」がどうにも気になった。

以前エンゼルスのタック川本さんの講演を聞いて、メジャーの競争システムの広さに驚いたけれど(5軍まであるとか)、日本の制度とはコンセプトがずい分違うようである。
オリンピックに出場するクラスの選手でも実業家とか弁護士とかエンジニアなどの道を並行して指向し、「スポーツとそれ以外」を最初からイメージする教育は、「そういうこと」が可能であるシステムが構築されている、ということでもあるのだと思う。

日本の場合は大学とか「学ぶ側」のハードルが画一的過ぎて、若者の多様性を損ねているように思うのである。記事は

やっぱりメジャーはスゴイ。

と括られて終わっているが、なぜ凄いのかについては我がこととして考察する必要があるだろう。
現実を嘆いていても仕方なく、特に日本の若い人には一方向、一肢だけの進路ではなくちょっと夢のようなものも含めて三つくらいは人生の選択方法を考えておいてはどうかと思う。
自分を振り返っても全然思った通りの道のりではなかったけれど、何か「これしかない」というステレオタイプが、しかも世間の常識のようなものに支配されるのは勿体ない。
色々自分の選択肢を考えてみるのは、それだけでも楽しいことでもあるだろう。

京大・田中超えがゴロゴロ 異才集まるメジャーのスゴさ
23日のドラフト会議でロッテから2位指名を受けた田中英祐(22=京大・工学部)の「フィーバー」が止まらない。

 最速149キロの直球を武器に関西学生リーグで8勝、防御率2.25という実力もあって、ドラフト直後からマスコミは大騒ぎ。24日に京大で行われたロッテの指名挨拶には、地元メディアだけでなく、全国から報道陣が殺到する異様な過熱ぶりだった。

 しかし、高学歴のプロ野球選手なんてメジャーにはゴロゴロいる。

 例えば現役選手なら07年からヤンキース、パイレーツなどで活躍するR・オーレンドルフ投手(32=現ナショナルズ)。米国の名門プリンストン大学で経営工学や財政学を専攻。トップクラスの成績で卒業した。今でも現役を続けながら、オフに牧場や会社経営に携わっている。

 他にもJ・フランシス投手(33=今季途中までヤンキースに在籍)はブリティッシュ・コロンビア大で自然科学を専攻。主に流体力学を学んでメジャー入りした異色の経歴を持つ。

 現レッドソックスの左腕投手・ブレスロウ(34)もエール大で物理学を研究。10年には米誌「スポーティングニュース」の「スポーツ分野で最も賢い20人」の1位に輝いた。

スタンフォード大を首席で卒業

 すでに引退しているが、かつてオリオールズヤンキースで活躍した右腕ムシーナ(45)も凄い。

 90年にドラフト1位でオリオールズに指名されるまで米西海岸の最高峰といわれるスタンフォード大で経済学を専攻。在学中に学位取得はもちろん、「首席」で卒業した。ムシーナはその後、08年の引退までに17年連続2ケタ勝利を含め通算270勝という偉業も成し遂げている。

 本人は現役時代から、「勉強は野球ができなくなってもできるが、野球は体力のある時しかできない。だから(名門大を卒業しても)野球を選んだ。その決断をした以上、学歴は関係ない。野球をやっている限りは大学名なんて意味がない」とサラリと言っていた。

 やっぱりメジャーはスゴイ。