藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

アシンメトリー。

およそ「自分の手慣れた世界のこと」については、それはこうだろう、それは無理だろう、という「固定観念」に注意しなければならない。
戦う相手はこいつ(ステレオタイプ)だ。

経験や知識はとても便利なものだが一方、柔軟に考えるということを見失わせる。
初心忘るべからずとはよく言ったものだ。言った人は多分本物の名人だと思う。

自分の知った世界はそうなのだが、では知らない世界ではどうか。
今度は固定観念はない。
非常に柔軟に、赤子のように素直な気持ちで居られる。
ところが。

注意しなければならないのは「情報量」だ。
お金を借りる、とか。
家を買う、とかいう「初めてのこと」。

例えばマンションを見にモデルルームに行ってみるとよくわかる。
自分の経験を振り返っても冷や汗が出る。

「向こうの人たち」はプロフェッショナルである。
こちらはその分野に関してよほど勉強していかないと、たちまちにしてたたみ込まれる。

立地の条件とか、価格とか、建物の構造とか質とか。
気候とか今後の都市計画とか日当たりとか間取りとか。

情報量は圧倒的に「向こう側」にある。
しかもこちらは一生に一度あるかないか、の契約だが向こうは毎日そういうことをしている人たちなのだ。
情報は非対称なのである。

自分はいつもこういう「初めてもの」の経験の時に、その場にいながら必死で情報をかき集め、専門家に聞いたりしてきたが、最近「そのこと」に気づいた。(汗)
よくこれまで詐欺師に出会わなかったものだ。
多分イチコロにやられていたに違いない。