最初はそう意識せずに買った本だが、実に興味深かった。
なぜってこの本に書いてあることは、ほとんど「人口統計」に基づくものだ。
そこいらの評論家がこねくり回す持論とは、性質が違うと思った。
人口ベルトの動きから「世の中がどう動くのか」については考察の部分もあると思うけれど。
自分が驚いたのは「人口ベルト動きそのもの」と「高齢化の進展具合」だった。
このままいけばかなりの市町村が(維持できず)なくなる、とか一人勝ちと言われる東京も2040年からは衰退に入る、とか。
割合「抗いようのない現実」が見られるという意味では、経済誌の予測特集よりはよほど現実的が描写されている。
AIやビッグデータがいくら進んでも、人は不死にはならない。(だろう)
人口動態は「そんなふう」にかなり確実に進む。
2100年のことは自分には経験できないが、特に若い人には「こういう状態になる」ということを知って、
"いろーんなこと"を考えて欲しいと強く思う。
「確実に来る事実」を見ながら、リアルに自分の10年、20年、30年、50年後をイメージしてみれば「自分の将来」はかなり考えやすくなるのではないだろうか。
これまでは戦後「団塊・団塊ジュニア」といった切り口ばかりで、さらにはせいぜい「2025年問題」までが注目の話題だったと思う。
実は未来は「ある切り口」によっては50年や100年先まで見える部分がある、ということに気付かされた次第である。