認知症介護の現場でつくづく感じさせられることは、医療よりも「介護」に確実にシフトしている世の流れだ。
どこまでが医療か。
どこまでが介護か。
どこまでが介助か。
介護する側は正しいだろうか。
介護はお互いの合意だろうか。
転職を考えたり、結婚を考えたり。
人生のいろんな転機で考えるようなことと何も変わらない。
仕事や伴侶を選んだり、趣味や友人と付き合ったり、人生は判断の連続である。
事前には何も知らされていなくとも「自分の最期」は自分で考える必要があるだろう。
医学と同時に、日常の生活の「終末」を誰もが考える習慣を持っていいのではないだろうか。
研究の進化続き光明差し始める
2017/4/20付
認知症は静かに、だが確実に患者と社会をむしばむ。患者数は世界で4000万人に上り、その数は3秒に1人の割合で増える。既に年90兆円が使われ、総コストは糖尿病を超す。患者は発症する約20年前から不眠やうつなど不調にさらされ、発症後は日常生活が困難になる可能性がある。それでも内藤社長は「患者を取り巻く環境は日々良くなっている」と語る。発症には原因たんぱくに加えて、遺伝や環境も影響すると分かった。創薬の切り口は広がり、患者に対するケアや心理学による研究も進化する。光明は確実に差し始めている。
(山本夏樹)