藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

手帳とは何か。

糸井さん、というメディアの旗手のシンボルのような人が、いざ「実業」の世界に出たらどうなるか。
実業界の面々は冷ややかに見ていたに違いない。
しかし"ヤツ"は「自陣」を飛び越えて来た。
これはイノベーションだ。
アントニオ猪木にどこか似ている。

ふつうのことを、ふつうにできるというのは、
企業にとっての、いわば守備のようなものです。
それはそれで、当然のように重要なことなのですが、
これには、「志(こころざし)」が大事になります。

ほぼ日手帳、というリアルな作品を通して、糸井重里は「製造業の世界」に入ってきた。
しかも発想は「メディア」とか「ソフト」のまんまだ。

リアルな手帳屋さんは驚いたに違いない。
これまで「手帳ほど難しいものはない」という領域に、畑違いの大物が踏み込んできたのだ。

そういう文脈で「ほぼ日手帳」を考えると、これはただの手帳ではない。
多分これからの自分たちの「時間の使い方」とかもっと大きな「計画」とか、日々の記録の方法とか、つまり「糸井重里vs時間の使い方」の軌跡なのだ。

すごい種類の手帳が発売され、多分こういう試みで「時間管理のツール」がそれぞれに進化していく予感がする。
さらに、いずれ「そういうものがweb化」されていくのに違いない。

糸井さんは「手帳の再定義」に挑んでいるのではないだろうか。
その先には「生き方の再定義」なんてのもあるような気がする。

多分、ほぼ日手帳はただの手帳ではないだろう。

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・「ほぼ日手帳」に関わってくださっている
会社の方々にお礼を伝える旅、まだまだ続いています。 
その会社によって、得意とするところはいろいろで、
「この機械の、ここは、こういう特別な…」とか、
「これをやっているのは、ほぼ日さんのだけです」とか、
「ここのところは秘密なんでまねできません」とか、
いろんなアイディアとか改良の工夫がお聞きできます。
「この機械は、もう30年も稼いでくれてます」もあれば、
「これ、高かったんですけど、よく働いてくれます」、 
というような機材の話も、語られます。

ふつうのことを、ふつうにできるというのは、
企業にとっての、いわば守備のようなものです。
それはそれで、当然のように重要なことなのですが、
これには、「志(こころざし)」が大事になります。
そういうと古くさいことばみたいですが、
やっぱり「志」としか言いようのないものです。
「なかまとのつながり」がしっかりしている会社は、
心のなかにある「志」でつながっているんですよね。

・もうひとつ、機械が稼いでくれるように見えますが、
どんなものをつくらせるのかの「考え」がなければ、
高い機械でも、ただの機械のままなのです。
買ったけど弾けない高価なギターみたいなものです。
必要なのは、やっぱり「考え」なんですよね。
その企業の「特別なこと」だとか「秘密」に関わるような
価値を生み出す部分には、アイディアがあるわけです。
そして、そのアイディアを発想したり、
アイディアを具体的に実現させているのは、
やっぱり、人間!なんですよね。

3000万円の機械も、いい働きをしてくれるけれど、
それよりも稼ぎ出す可能性があるのは、アイディア。
で、そのアイディアを生み出すのは、人間です。
人間は、機械よりも休みが必要ですし、食事もします、
遊びも必要だし、機嫌がよくないといけません。
でも、結局、めしのタネは人間がつくるんです。
お礼の「行脚」をやっているうちに、
そのことが、ほんとうに納得できるようになりました。
工場や機械にしていた投資を、人間に。だよねー。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
機械より高くて、贅沢で、最高のなかまになるのが人間。