日経より。

*[ウェブ進化論]一番必要なのは宅配box。
ウェブ通販が日常化し、宅配屋さんが疲弊している。
だから「電気メーター」を利用して無駄な配送をなくそう、という話だが。
 
他にもAIで運転手を助けたり、ドローンを使うとか。
それなら「必ず一回で到達する方法」を考えるべきではないだろうか。
だから戸建もマンションもオフィスも、みんな「宅配box」を十分に確保すればいい。
それほどAIを駆使せずとも、ほぼ事足りるだろう。
 
宅配をドローンがするようになっても、結局「その先の受け取り場所」は必要だ。
まずそれを準備してから「配送方法の工夫」ありきではないだろうか。
配達先に宅配boxがあれば、ほとんどの問題は解消する。
 
物流経路の合理化とか、受け取る側の状態とかは、「さらに無駄なく」するための方策だろう。
まずは「フル宅配box設置」ではないでしょうか。
何より配送業者の人たちの負担を抑えたいものだと思う。
 
 
配達空振り、わずか2% 物流救う宅配テック
2019年2月8日 21:30
国内の宅配便業界は慢性的な人手不足や増え続ける荷物による「宅配クライシス」に見舞われている。出口が見えないこの問題にスタートアップが解決の道筋を示そうとしている。人工知能(AI)を使った経路指示など、軒先までの「ラストワンマイル」の配送効率を上げる。物流の門外漢がテックの力で労働集約型の現場に革新をもたらそうとしている。
電気の使い方で不在を予測
1回の配達で荷物を相手に渡せなかった割合はわずか2%――。届け先の不在に悩む宅配便の現状にあって、実験ながら運転手がほぼ確実に荷物を手渡せることを示したシステムがある。AI技術の日本データサイエンス研究所(東京・文京)が開発した配送経路指示システムだ。
2018年9~10月、東京大学本郷キャンパス(同)構内の約30カ所を届け先に設定。これらを対象に配達を20回繰り返したところ、高い確率で渡すことができた。運転手のスマートフォンスマホ)の画面に不在とみられる届け先を外した配送経路が示されたからだ。
予測の手掛かりとなるのがスマートメーター(次世代電力計)のデータだ。17年1月設立のNextDrive(ネクストドライブ、同・港)が開発した通信機器を届け先のスマートメーターに取り付け、電力使用量を取得。使用量から人が室内にいるかどうかを予測する。在宅とみなした届け先には遠くても先に向かうように指示する。日本データサイエンスの大杉慎平パートナーによると、不在宅も含めて回るのに比べて「配達員の移動距離は5%ほど短くなる」という。不在とみられる届け先は再配達などで対応することになる。
通信機器の設置やデータの利用は家庭の了解を得れば可能。運転手が目にするのは配送順で、電力使用量や不在先は示さない。実験に協力した東大大学院の越塚登教授は「AIを挟むことでプライバシーが守れる」と解説する。
「電気の使われ方から不在とみられる届け先を配送順から外せばいい」。システムの開発を主導した日本データサイエンスの大杉氏は発想の転換と割り切りがカギだと指摘する。大杉氏は東大でデータ分析を学んだ後、マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て東大に復帰。日本データサイエンスの設立に参加した。
日本データサイエンスは14年に一般社団法人として設立し、18年に株式会社に移行した。「ビジネス視線、収益貢献のためのAI」を掲げ、ビジネスの現場での実用化をゴールにする。生産の需要予測や故障などの異常検知にもAIを応用しようとしている。
経路指示システムは22年度の実用化を目指しているが、運用にはスマートメーターのデータ利用の許可を得たり、通信機を取り付けたりすることが必要。だが配送効率が悪い特定の地域に限れば高い効果も期待され、高台にある古い住宅地での宅配サービスに課題を抱える神奈川県横須賀市が実験を検討。複数の電力会社から実験地域を提供する申し出も来ているという。
 17年度の国内の宅配便取扱量は42億個と10年で3割増えた。宅配便は毎日のように家庭の玄関先に足を運ばねばならず、発送拠点から届け先までのラストワンマイルの効率向上が最大の課題だ。
運転手の癖もつかむ
届け先の不在で再配達に回る宅配便の比率は約15%。不在対策では宅配ロッカーの整備や玄関先の受け取りバッグを使った「置き配」サービスが広がりつつある。不在対策に加えて運転手が効率よく回れれば負担はより軽くなる。
名古屋大発のオプティマインド(名古屋市)は個々の車両や運転手の特性に合わせて経路を自動作成する。
「AIのアルゴリズム(計算手順)に渡すデータの収集に力を入れる」(斉東志一副社長)。導入を始めた日本郵便では地域の道路事情や混雑状況、個々の車両の性能や運転手の癖までのデータを集め、その日の運転手に最適な経路を作っている。
名古屋北郵便局(同市)では手作業による経路作成が不要になったことも含め、約30カ所に配るのに約2時間かかっていた経験の浅い運転手が1時間程度で終えられるようになった。約50分で配るベテランと遜色ない結果だ。
オプティマインドはドライブレコーダーのデータを持つ東京海上日動火災保険自動販売機に配送するブルボンなどとも提携し、配送関連データを多く取り込んでシステムの精度向上を目指している。
国土交通省によると17年度の宅配便取扱量のうちヤマト運輸と佐川急便、日本郵便で計94%を占める。量は少ないが、ほかに18ものサービスがある。小規模な事業者が使える簡便な技術も必要だ。
運送車両の位置情報管理サービスを提供するオンラインコンサルタント横浜市)は3年ほど前から経路作成機能をそろえた。現在地から配送先までの距離や予測所要時間をもとに、複数の届け先への配送順を決めて経路を作る。アプリで確認でき、スマホ1台当たりの料金は「iPhone」なら月960円。累計で約2千社が導入済みだ。
同社はプログラマーの後藤暁子社長が米モトローラ日本法人の営業などを経て06年に設立した。「配送計画を紙で運転手に配っていた会社が多く、アプリ一つで済むようになったと喜ばれている」。18年度の同社の売上高は17年度から3割増える見込みだ。
楽天に機体を提供
宅配業界では空路を使った配送も模索されている。日本では13年に設立した千葉大発の自律制御システム研究所(ACSL)がドローンでの配送にメドをつけつつある。
タブレットのタッチ操作で目的地を指定すれば自動で飛ぶ。全地球測位システムGPS)を使い、GPSでは数メートルの誤差が出る着陸時には搭載したカメラによる画像で位置を認識する。機体の位置は届け先のアプリに伝える。
楽天東京電力などと埼玉県秩父市で1月に実施した実験に機体を提供。山間部の約3キロメートルを10分ほどで飛び、バーベキュー用品を届けた。実際は最大で30分間、10キロメートルほどの距離を運べるという。
人の目が届かない場合、航空法の定めでドローンは山間部や離島などでなければ飛ばせない。楽天電子商取引(EC)の配送で19年度中に過疎地でドローンを採用する予定。実用化の際は着陸用のスペースが必要になるという。
危機的な状況を受け、宅配便の事業者だけでなく宅配便を使うECにもスタートアップの技術を取り込む機運が高まっている。実用化には様々な前提条件も伴うが、一定の地域や作業工程で効果が期待できる。人海戦術に頼りがちだった宅配便。技術と組み合わせることでインフラとして進化する。
(企業報道部 武田敏英、鈴木健二朗、山田遼太郎)
日経産業新聞 2019年2月8日付]
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