藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

法律とIT。

*[ウェブ進化論]ついに明らかに。
法律業界のIT化に関わってもう二十年になる。
法律業務の個別のシステム化は進んできたけれど、肝心の「法律そのもの」については手付かずだ。
民法・商法・刑法・憲法・民訴法・刑訴法。
どれも門外漢には難解だ。
何度か読んでみたが、プログラムでいう「ネスト」の連続で「単体」で解釈が非常にしにくい。
しかし法律はそれぞれが整合性を持って作られているはず。
ぜひともそれらは構造化され、データベース化されるべきだと長年思っていた。
そんな試みがかのGitHubで始まっているという。
問題となったのは「公開政府省は、第2編第5章のIの実施に関して助言を行う」という一文ですが、実際に指し示すべき条文は第2編第5章のIIだったそうです。
この類のミスだけではなく。
どの法律がどの法律の影響を受けているのか。
「ある裁判のケース」は「だからどの法律のどの条文の影響を受けるのか」
そんなことをコンピューターが整理できれば、今の法律家の作業は相当に省力化できるのではないかと思う。
法律そのもののIT化である。
まずは法律そのもののデータベース化と、そのリレーション(関連付け)のロジックが必要だ。
エンジニアと、すぐれた法律家がいれば、それほど無理ではないような気がする。
最終的に判例で争われるような「新説」「新解釈」こそが法律家の出番になるのだろう。
法律そのものはこれからもどんどん増えていくと思うが、いつまでも専門家に頼る時代は早めに終わりが来ると思う。
スマホの中に弁護士が入る時代はそう遠くないだろう。
 
 

法律をGitHubのプルリクエスト機能を使って修正するその一部始終が公開中

アメリカ合衆国の首都ワシントンでは、法律がGitHubを使用して管理されています。法律のオープンデータ化を推進するサービス「GovTrack」の創設者であるジョシュア・トーベラーさんが条文のタイプミスを見つけてからプルリクエスト機能を使って修正するまでの流れが海外ニュースメディアのArs Technicaで公開されています。
 
How I changed the law with a GitHub pull request | Ars Technica
 
ある日、トーベラーさんが法律を調査していた時に条文の参照が誤っていることを発見したとのこと。問題となったのは「公開政府省は、第2編第5章のIの実施に関して助言を行う」という一文ですが、実際に指し示すべき条文は第2編第5章のIIだったそうです。
ワシントンの法律はGitHub上で公開されています。GitHub上の法律はコピーではなく正式な情報源であり、実際にワシントンD.C.の公式サイトで閲覧できる条文はGitHub上のものを利用して生成されています。つまり、GitHub上の条文を修正すれば、それが公的な機関にも反映されるということ。GitHubには「より良いコードを書いたのでコードの修正を取り込んで欲しい」という依頼を出す「プルリクエスト機能」というものがあるため、トーベラーさんはこの機能を使って訂正の依頼を出すことにしました。
 
トーベラーさんが実際に出したプルリクエストは以下のとおり。条文の「I」を「II」に書き換えると共に「タイプミスがある」という内容のコメントを付けています。
数日後、議会の担当者がプルリクエストを許諾し……
GitHub上のデータをもとに生成されているワシントンDC政府のサイトの条文も自動的に修正されました。
トーベラーさんは「この種の技術的な修正は議会の可決や市長による署名が不要なものであり、公聴会や専門家の証言、利害関係者の交渉、選出された代表者による投票といった従来の立法の方法を変えるものではない。しかし政府や立法のオープン化にとって画期的な出来事だ」とコメントしたほか、「GitHubで法律を公開することによって議会が迅速に法律を公表し、市民は最新の法律を閲覧できる。この方法は検索性にも優れており、高コストの法律調査手段を利用できない市民や司法扶助団体の弁護士が司法へアクセスしやすくなるといった点で政府のイノベーションである」と述べています。