*[ウェブ進化論]心の把握。
福祉施設に出入りしていると「認知症」と「身体の障害」と「心の傷」について考えさせられる。
認知症は原因もはっきりとはわからず、その対応方法についても異論百出で正解がなく、アプローチについても様々な方法が試みられている。
一方、身体の障害については、見た目にはっきりと知覚できるので介助の方法については一定の方法が確立できていると言える。
そして何より難しいのは「心の傷」だろう。
老若男女を問わず、相手が「どんな心理状態にいるのか」を100%把握することはできない。
自分たちの日常はそんな「100%ではない状態」で、お互いの会話を通してコミュニケーションしているのだが、その相手の「見えない部分」に傷がある場合は、定型的なやり取りは通用しなく、「身体の障害」と同様に相手の「不自由な部分」を推し量らねばならない。
特に高齢で、さらに認知症を患っている人の「心の状態」を推し量るのは難しく、ただただ「会話を合わせて」いれば解決するものでもない。
福祉業界では、今はまだ試行錯誤だと思うが「本人の心理状態を目に見えるようにする技術」が発達すれば、若年層でもシニアでもケアの方法は格段に進歩するのではないかと思う。
今の彼たち彼女たちを憤らせ、怒らせ、怯えさせている原因は一体どこにあるのだろうか。
そんな「心のアプローチ」が進めば、福祉業界だけでなく、現代のいろんなコミュニケーションのギャップは相当改善されるのではないかと思う。