「働き方」の教科書:「無敵の50代」になるための仕事と人生の基本
- 作者: 出口治明
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/09/18
- メディア: 単行本
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若くして起業するときに、「ただ面白そうだ」「儲かりそうだ」「ビジネスモデルが」ということに気を取られて、結局続かないという例は多いものだ。
自分もそうだった。
ちょっと手数料が稼げるような仕事があれば、あまり躊躇することなく飛びついていた。
いわゆるダボハゼだ。
ミッション、コアバリュー、ビジョンの三つを挙げるアドバイスは秀逸だと思う。
実はこれがないプロジェクトは頓挫するからである。
何か青臭いような気がするけれど、社会性、強み、将来像のない仕事に踏み出すべきではない、と自分も強く思う。
そういう意味では安直な手数料稼ぎ、に将来はないということがわかるのに二十年以上かかったことになる。ああ。
やるなら精魂込めて「これ、やってます」といえる仕事でなければならないのである。
そう思うと、そう簡単なことではないけれど。
(13)真っ当なことをやる
先のミッション、コアバリュー、ビジョンの次に自分が欠けていたな、と思う要素。
それは『共感』。
値段や使い勝手は必要だが、それはともかく。
そのプロジェクトに「共感できるかどうか」。
その人を「応援したい」と思うかどうか。
当たり前のようだが、これから起業し新しく手掛けていくことに絶対必要な要素である。
人は感情の動物だという。
その感情が「よし、応援しよう」と動くかどうかは、その商売の根本に関わる、生死を左右する核に違いない。
ついつい自分たちは「新しいから」とか「よそにはない便利さがあり」とか「安価です」などを理由にお客に説明したりする。
それはそれで遡求要因には違いないが、そこには「共感」はないことも多い。
だから「より便利」とか「より安いもの」が出てきたら簡単に風向きが変わってしまう。
ともかく「共感できるかどうか」。
そんなことを商売の概念より前に考えることは、とても重要だ。
往々にして商売ありき、の目線でいると見失うことではないかと思う。
(つづく)