これだけリストラが増え、失業率は欧米では二桁になる中、実生活だけがそのままで済むワケもない。
日本で、住宅の「投げ売り」が増えそうだという報道。
これで景気が「底入れ」したという一部の報道は全く根拠を失っていると思う。
よく言われる、マクロ経済ほど「数字の脚色は困難なのだ」という原則を肝に銘じておきたいものだ。
ともかく、実需へのボディーブローは確実に効いてきている。
マイホーム競売が急増、「ボーナス払い」が契機となる恐れ
不況で住宅ローン返済に行き詰まり、マイホームを競売で手放す人が増える懸念が高まっている。
住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)が平成20年度に競売にかけた住宅は、前年度よりも35%多い1万6577件と記録のある平成14年度以降で最多となった。
とくにボーナス併用払いの場合、この6、7月はボーナス減額に直面した人がローンを支払えない事態に陥る恐れもあり、専門家は「早めに金融機関に相談してほしい」と呼びかけている。
不動産競売物件を分析している不動産競売流通協会(東京都中央区)の吉村光司代表理事は「昨年秋以来の世界的な金融不安を背景にして、マイホームとして住む戸建て住宅やマンションの競売が増えている」と指摘する。
同協会によると、全国の裁判所を通じて競売された件数は20年初めから増え始めていたが、リーマン・ショックの昨年9月以降に急増し、この1年で約2倍に増えた。とくに自動車や電機など主力の輸出産業の落ち込みが激しい愛知県では戸建て住宅の競売が約7倍に急増するなど、厳しい地域経済を反映している。
通常、ローン返済が滞った住宅は、民間の不動産再販売業者を通じて任意に売却先を探し、見つからない場合に裁判所を通じて競売処分される。
競売では相場価格よりも2〜3割安くなるが、金融機関が任意売却物件を買い取っていた不動産再販売業者への融資を絞ったことも競売の増加につながっているようだ。
とくにボーナス併用の住宅ローンを組んでいる場合、6月以降は景気低迷を背景にボーナスが大幅に減額されてローン返済が滞る懸念が指摘されている。
このため、三重銀行や秋田銀行などの地方銀行は、住宅ローンの返済相談窓口を設置し、顧客への対応を進めている。また、京葉銀行では顧客の預金残高などに応じて連絡し、ローンの相談に乗っているという。ファイナンシャルプランナーの西澤京子さんは、住宅ローン返済が苦しくなった場合について「とにかく家計を徹底的に見直し、それでもローン返済できなくなるようなら、早めに金融機関に月々やボーナス時のローン返済額を下げてもらうよう相談してほしい。
カードローンや消費者金融でお金を借りることだけは絶対に避けるべきだ」とアドバイスしている。
国民皆保険の謎
アメリカが階級社会と言われる象徴とも言える保険制度。
無保険の国民にはセーフティネットすらないという。
経済成長率を上回る医療費の伸びが是正されなければ「10年以内に5ドルの収入のうち1ドルを医療費に使うことになり、30年以内に3ドルのうち1ドルを使うことになる」と警告した。
ちょっと不勉強だが、一見すると「医療費の構造」に問題があるのでは、という推測。
医療報酬とか、薬価とか入院費とか、医療器具とか。
「どこかにボロ儲け」するような構造が隠れていないか。
米の医療費は世界一で(194兆円!!)、二番目の国の五割増し、というのは先進国の医療費構造にハマってしまっているのだろう。
そのうち透明になって来るのだと思うが欧州型の税構造(所得の半分は税金)を日米は模す必要があるのかもしれない。
オバマ大統領、医療保険「いま改革しないと米国がGMと同じ道」
オバマ米大統領は15日、シカゴで医療保険改革について演説し「医療保険のコスト(膨張)は米経済の脅威だ。
ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーの経営危機は従業員向けの医療保険(コスト増)が主因だった。
改革をいま実施しなければ米国がGMと同じ道を歩み破産する」と語った。
オバマ米大統領は、コスト削減を前提とする国民皆保険制度の導入を政権の最重要課題と位置づけている。
この日は米国の医療関係団体の年次総会に出席。
「(米経済の復活と)繁栄には医療費削減が不可欠」と協力を要請した。
同大統領は米国の医療を巡る現状について「医療費は年2兆ドル(約194兆円)を超す。
1人当たりの医療費は2番目に高い国よりもさらに50%高い。にもかかわらず多くの無保険者が存在する」と指摘。
経済成長率を上回る医療費の伸びが是正されなければ「10年以内に5ドルの収入のうち1ドルを医療費に使うことになり、30年以内に3ドルのうち1ドルを使うことになる」と警告した。