藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

台所に入る男子へ。


男子厨房にはいるべからず、というのもアナクロな故言だが。


「家事男」はまあ別にして、家庭での料理は圧倒的に女性なのに、いわゆる料理店では圧倒的に男性過多なのはどうした理由か。
女性は家庭に入る人が多い、ということだけが理由にしてはいびつな感じだ。
自分の人生、「晩メシの機会はもう無限ではない」という法則のもとに、最近外食するお店を選ぶようにしているが、女性のシェフや板前さんに会うのは稀である。
それに比ぶれば、我がオフィスにも、スーパーやコンビニにも、美容院にも等しく女性は存在する。



家事男。
昔はよかった、というのは「時代について行けない人」の発する典型的な言葉だ、というのは河合隼夫さんのコメントだった。


が、それにしても婚活、とか草食系とか、それまでにはなかった「時代の若者を表現する言葉」というのはなくならない。
ま、表現されるのがアラフォーとか必ずしも若者ではないので、その時代をよく表す単語、ということなのだろう。


でも今さら「彼らは新人類だよねえ」という言葉はもう死語になっているので、そう言う言葉が「常に新しく」生まれているというのも不思議なものだ。
自分たちの生きる高々100年に満たない一世代には、色々とこれまでにはない、新しい経験がある、ということなのか。
戦後世代の我われにしても、いや「戦争を知らないからこそ」の珍人類、がまだまだ生まれてくるのだろう。

出現、家事男。


不景気、大失業時代を反映してか、職場や学校に「水筒」を持参する人が増えているという。
20代ではなんと過半を占めるらしい。
身体にいいものを、という健康志向と節約を狙って男性も自炊で弁当を持参すると。


家事検定実行委員会なるものが試験を実施しており、三ツ星を獲得する男性もいるという。

100年に1度といわれる経済不況と節約志向を背景に、確実に上昇しつつある男の家事力。(産経webより)

と記事にはある。
またこれが次世代のライフスタイルの兆し、とするコメントもあった。

「将来への不安感が広がるなか、家族と一緒に過ごす家庭回帰の傾向が高まり、積極的に家事をする男性への好感度が急激に高まっている」と指摘。
そのうえで、「彼らこそ先行き不透明な時代を反映した、新しいライフスタイルの先駆者かもしれない」と分析する。

男子の家事、については少し違和感も覚える自分だが、逆に男は外に出れば七人の敵が…などとアナクロで、遮二無二外で働いて、家では消耗してふんぞり返るかゴロゴロしている、というこれまでの「高度成長モデル」が異様だったのかもしれない。


自分などはおそらくその高度型、の最後の世代であり、すぐ後ろの世代を振り返ってみると、確かに男性諸氏はみな「家庭を大事に」するし、家事、育児にも非常に協力的。
自分の妻のことを「ウチの奥さんが」と恥ずかし気もなく表現するご亭主どのもそんなに珍しくない。


高度成長モデル、(自分たちのころは「ニューハードワーカー」と表現されていた)は確かに「右肩上がり」を疑わず、競争社会をひた走る姿に疑いも持たなかったが、今自分が二十代の人々を眺めていると確かに「次の価値観」へとパラダイムが変わっているのかな、とも実感する。


思わず喉元まで出かかった「今どきのヤツは」という言葉を呑みこんで、「彼らの目にはそれが自然、当然、最善」に見えているのかもしれないなァ、とも思うのである。
だって「今の若もんは…」と言った途端、自分が時代についていけてない、と言うことを表明しているじゃない、というのが、冒頭の河合先生の話へと循環するのだ。


<記事全文>

不況で急増“水筒男子” 男性3割に「専業主夫願望」?


約300種類をそろえる水筒売り場。会社帰りにふらりと立ち寄る男性客も多いという=東京都渋谷区の渋谷ロフト オフィスに水筒や携帯タンブラーなどで飲み物を持参する若い男性が増えている。
最近は日々の弁当や夕食作りを気負いなくこなす家事好き男性も目立ち、家事検定で三つ星を取得する達人もいるほどだ。
不況と節約志向を背景に増える“家事男”について、専門家は「不透明な時代の変化を先取りした先駆者かも」と期待する。


節約とエコ

 ミツカン(愛知県)が5月に実施した「オフィスの飲料事情調査」によると、水筒などで飲料を会社に持参する人は全体の44%に上り、特に20代男性ではほぼ半数。その割合は1年前に比べて約4倍と、“水筒男子”が急増していることが分かった。
「節約」や「ゴミ減量」などの理由に加え、「夏でも温かい物を飲みたい」「できるだけ体にいい物を飲みたい」といったニーズもあるようだ。


 約300種類の水筒が並ぶ渋谷ロフト(東京都渋谷区)では前年同期に比べ、水筒の売り上げが約3割増の勢いが続く。
弁当雑貨コーナーの担当、山田奈保子さんは「最近は会社帰りに1人で立ち寄る若い男性が目立ちます」と話す。
弁当箱とセットで購入する人も多く、男性には保温保冷機能が付いた片手で飲めるタイプが人気だという。

 妻子のため、マイホームを購入予定の会社員(36)は「お気に入りの紅茶や日本茶を自分で入れた方がペットボトル飲料よりおいしく飲めるし、安上がり。
水筒生活はやめられません」と話す。

 昨年から始まった家事検定でも男性陣の予想外の活躍が顕著だ。主催する「主婦と生活社」によると、受験者のほぼ1割は男性。
家計管理や掃除など家事全般からの出題に正答率9割以上で認定される「三つ星」に輝く達人もいる。


三つ星の達人も

 川崎市に住む専門学校職員、武田知之さん(29)もその一人。
夕食の自炊に加え、週2、3回は弁当も持参する本格派。
独身で1人暮らしの武田さんが家事に目覚めたのは昨年。健康のためにダイエットを決意してからだ。
安くて栄養価の高い旬の食材を使った低カロリー料理が得意。「凝り性だからあれこれアレンジして個性を出せるのが楽しい」と、慣れた手つきで包丁を握る。



「家事全般の知識を深めたい」と受験した都内の会社員、森悦成さん(33)も三つ星を獲得。
「関西育ちで外食が口に合わないので、とことん自分の味を追求しています。
僕の料理は主婦のような手際の良さが自慢」


 100年に1度といわれる経済不況と節約志向を背景に、確実に上昇しつつある男の家事力。
博報堂生活総合研究所の夏山明美上席研究員は「将来への不安感が広がるなか、家族と一緒に過ごす家庭回帰の傾向が高まり、積極的に家事をする男性への好感度が急激に高まっている」と指摘。そのうえで、「彼らこそ先行き不透明な時代を反映した、新しいライフスタイルの先駆者かもしれない」と分析する。


 家事検定実行委員会が昨年11月、東京や大阪など5都道府県に住む既婚男女約2000人に実施した家事力調査によると、「専業主夫になってもよいと思う」と答えた男性は約3割に上った。
日常的に家事を行っている男性の割合は北海道が92・8%でトップ。次いで愛知、福岡、東京の順で最低は大阪は80・8%だった。

 一方、「男性が家事をするのはかっこいいと思う」と答えた女性の割合は57・6%だが、20代女性に限ると72・7%。独身男性の“婚活”に家事力は必須といえそうだ。