藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

思考のアングル。

よく音楽や演劇のトッププロが言う。
「どれだけ舞台を楽しめるかです」。

この言葉の意味は重い。
マチュアにはとても達せない境地である。
最近、音楽を習うにつれ、そういうことを考えるようになった。
「その一芸に生きる」プロというのは、つくづく恐ろしいものだと思う。
それはともかく。

今の状態を把握できるか


芸術家のような、よほどの特殊性のある世界ではなく。
いや、本当はあるのだろうけれど、ちょっとそれは一見しただけでは分からないような。
ビジネスの世界は「そんな感じ」ではないだろうか。


会社を作り、従業員を雇って、顧客に売り、対価を得る。
そんな基本的なスキームだけしか決まっていないから、恐らくそんな中にあるだろう「芸術的な試み」というのはなかなか表には出てこない。
まあ、あんまり「商売には関係ない」のである。(実はそこが秘密だろうけど)


で、何が言いたいか、というと芸術家もビジネス家もどちらでも。

「今を捉える目」というのが非常に重要ではないか、と思ったのである。

よくビジネスマンは「ピンチはチャンス」という。
何のこっちゃ?と思っていたが、なるほど「一見危機のようでいて、それを反力にして盛り返す」というのは非常によくあることだと気づく。
クレームが起きて、それが会社の存亡にかかわることだったが、それを克服して「信用をより高めた」というような例は枚挙にいとまがない。


それもともかく。
「今はどういう状態ですか?」という問いには常に冷静に答えられるようにしておきたい、というのが今日のお話の主旨なんです。

どんなときも。


例えば結婚を希望している四十代の女性。
「もうダメかも」と彼女は言う。
いやいや。
今があなたの最大のチャンスかもしれない、と考えることはできないだろうか。

現実は変わらない。

けれど、その人の「長所、性質、方向性」をよく捉え、より有利な活動へと方向づけてゆくことは、幾らでもできるのである。
「今が最大のチャンスかもしれない」というのは恐らく正しい。


会社も同じ。
自分もそうだった。

「あーあーあ。何かチャンスに恵まれないなァ。一発デカい仕事に当たらねえかな」と考えているのは素人である。

もちろん、そんな浅ましい感情を抱かずに、日々の仕事にまい進するのも悪いことではない。
だが。
だが。

「今が最大のチャンスかもしれない」という目でぜひ自分の今のシチュエーションを考えてみてはどうだろうか。

これは冒頭の藤田田さんの言葉に昨年であった自分が、改めて、この年にして心に刻んだ視点なのである。

『好機は常に眼前にある』

たったこれだけのことを、視点を、思考を、自分たちは自分で閉ざしているのである。
何度も言う。
周辺の「事実は変わらない。」

自分の「とことん」の思考と、勇気ある決断、こそが、自分の将来を切り開く。


言葉とは何と魅力的なものだろう。
今年は最初から、とても楽しい。