藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

東洋医学へのススメ。

yomiDr.小川恵子医師より。
漢方は"四診"からなるという。

四診とは、視覚による「望診」、聴覚と嗅覚による「聞診」、
患者さんから病状や自覚症状を聴く「問診」、そして、
実際に患者さんに手を触れて診察することによる「切診」の四つの診察法のことです。

そして、証を決定する際には、気血水、陰陽、五臓という概念に基づいて考えます。

自然、「気血水、陰陽、五臓」に興味が移る。

生命の基本になる生命活動の根源的エネルギーを「気」、生体の構造を維持する赤色のものを「血」、無色のものを「水」とした理念が気血水です。

つまり、我われが生きてゆく上での要素、しかもハードウェアではなく"ソフト部分"をこの気血水、は表しているのではないだろうか。

例えば、何か頭にくることがあったとき、何かが頭の方に上ってくる感じがして、動悸(どうき)がしたりしませんか? それが気逆(きぎゃく)です。

また、落ち込んだときには、おなかや胸のあたりが張った感じがして、ついついため息が出てしまいますよね? それが気鬱(きうつ)です。ご自分はどれに当たるでしょうか。

自分には、「こうした自らの状態の変化」は、そのまま自分の精神状態の変化である、と思う。
つまり漢方とか東洋医学、というのは徹底的に「自らの状態」を客観に把握することに務めているような学問なのかもかも知れない。
そして五臓について。

五臓とは、宇宙にあるすべてのものが木火土金水(もっかどこんすい)の五つの成分から成り立ち、互いに関連しあっているという五行論の影響で成立した概念です。

これは、「自らの内面の客観性」とは全く別に「自分の周囲の環境のバランスについて」を究極的に考えているのだと思う。
つまり、五臓とは、「自分の外」のすべての存在に対してのバランス感覚を説く教えなのではないだろうか。

小川医師は言う。「一見難しそうですが、この概念を知っておくと漢方薬の使い分けがわかり、自分の身体のバランスがどのように崩れているのかを知るのに役立ちます。」

自分自身のバランス。
結局西洋医学はともかく、東洋医学などでは、この「自分自身の状態居」を「いかに自分が把握するか」という、いわば"自我との戦い"のようなことがテーマになっているのかではないかと思う。
自分のバランスの傾きを、「いち早く自分自身で知った者」こそがそのバイアスに気づき、修正ができるのだろう。
そんな意味で、東洋医学もまた、自らの把握のために存在する医学なのだろうと思う。

漢方医学の概念について
漢方についてお話しすることになり、できる限り、わかりにくい用語は使わないようにしてきました。でも、漢方医学が伝統医学であるという事実からして、その概念をお話しした方が結局、わかりやすいと思い直しました。というわけで、今回は、漢方医学の基本的概念について簡単にお話ししたいと思います。

■日本漢方医学の診察法
日本の漢方医学は、“証”の医学体系であり、漢方薬は証に対応して決まります。一種のマッチングシステムです。この証を決定するために、漢方医学的診察(四診)が必要です。 

四診とは、視覚による「望診」、聴覚と嗅覚による「聞診」、患者さんから病状や自覚症状を聴く「問診」、そして、実際に患者さんに手を触れて診察することによる「切診」の四つの診察法のことです。そして、証を決定する際には、気血水、陰陽、五臓という概念に基づいて考えます。

「気」、「血」、「水」図1

生命の基本になる生命活動の根源的エネルギーを「気」、生体の構造を維持する赤色のものを「血」、無色のものを「水」とした理念が気血水です。気血水の異常を図1に示しました。

例えば、何か頭にくることがあったとき、何かが頭の方に上ってくる感じがして、動悸(どうき)がしたりしませんか? それが気逆(きぎゃく)です。

また、落ち込んだときには、おなかや胸のあたりが張った感じがして、ついついため息が出てしまいますよね? それが気鬱(きうつ)です。ご自分はどれに当たるでしょうか。

「陰」と「陽」
生体内では、バランスが乱されると、これを元に戻そうとする反応が起きます。この反応が、活動的で熱性の場合を「陽証」、非活動性で寒性の場合を「陰証」と呼びます。このほかに、虚実、寒熱、表裏という概念があり、陰陽とあわせて八綱といいます。

■「五臓
図2

五臓とは、宇宙にあるすべてのものが木火土金水(もっかどこんすい)の五つの成分から成り立ち、互いに関連しあっているという五行論の影響で成立した概念です。

図2に示すように、木火土金水の五行に肝心脾肺腎(かんしんひはいじん)の五臓が相当します。明治時代に、西洋医学が日本に導入された際に、もともとあった漢字を当てはめたという歴史があり、漢方における五臓と現代医学における臓器とは意味が違います。おのおのが独立して存在するのではなく、促進したり抑制したりする関係、すなわち相生(そうしょう)相尅(そうこく)関係を形成します。五臓にはそれぞれ関連した感情があります。例えば、肝は怒りと関連します。

一見難しそうですが、この概念を知っておくと漢方薬の使い分けがわかり、自分の身体のバランスがどのように崩れているのかを知るのに役立ちます。今回は、何となくわかった気になれば大丈夫です。今後の参考にしてみてください。