藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

コーヒー係は違法だけれど。

東京銀行の「コーヒー係命令」に賠償命令が出た。
自分ならコーヒーサーバーの管理をして、他の時間は本とか読んでていいならうれしい気もするが。
博士号取得にでも勤しみたいところである。
冗談はともかく。
これが堂々と都の銀行で行われていたと聞くと、どよんとした気になる。

感じる組織のありようの変化

自分はもともと中小企業出身で、大企業や行政の意思決定者に会うようになったのはここ十年くらいなのだが、それにしても驚くのは「自社の体裁の維持に裂くパワーの大きさ」である。
木を見て森を見ず、とはいうがそんなレベルではない。
森どころか、もはや「自分は何が目的でいるのだったか」ということすら忘れて、自己保身や派閥の工作や、周囲の空気読みに余念のない人は実に多い。

結果、客や同業のパートナーたちがどうなる、とかいう本筋のことはもう眼中にないのだから驚く。
日本の行政や大企業を見ていると、その「体裁の維持の力」がもう成長力を上回った"負のインフラ"と化してしまっていることをヒシヒシと感じるのである。

ともかく大きな組織を作って、大きな仕事をする、という高度成長期にはうまく機能したしくみは、今や完全に維持費倒れになっていると思う。
今年からは、いよいよそんな旧来の仕組みも変わってくるような気がしている。
政治も、行政も、経済もみな同時に動くのではないだろうか。

いよいよ新年度が始まる。

「コーヒー係」命令は違法 新銀行東京に賠償命令
新銀行東京でいじめを受けたなどとして、元行員の男性が同行などに約6700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、東京地裁であった。生野考司裁判長は、コーヒーサーバーの管理など、男性の職歴に合わない雑用をさせた点を違法と認め、100万円の支払いを同行に命じた。
 判決によると、男性は試用期間を経て正式採用される際に、自主退職を求められたが応じなかった。その直後に配置転換となり、2005〜06年に計約5カ月間、コーヒーサーバーの管理や座席表の作成などの雑務に従事させられた。
 判決は、男性がかつて民間会社で主に法務部門を担当し、経営コンサルタントを経て入行したという経歴を踏まえ、「機械的作業に専従するとは想定されておらず、銀行の裁量権を逸脱している」と指摘。自主退職に応じなかったことへの実質的な制裁で、違法だと結論づけた。
 判決を受け、新銀行東京は「当行の主張が大筋では認められた。控訴については、判決文を精査して検討する」とコメントした。