藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

人にしかできない多次元方程式。

ぐるなびコンシェルなるサービスが開始される、という知らせが届いた。
月額315円で"お気に入りの店"を案内してくれるという。

さーて。
どこまで普及するだろうか。
自分は、こうした「行きたい店のコンサルティング」が成立すれば、相当有望なビジネスになるに違いない、と思っている。
それは、「いい店を見つける」ということがそれほど難しいからである。

これは数々の先輩方の共通の本音でもある。
なぜなら。

客側のニーズも様々。
洋食(or和食、中華、焼肉、エスニック、ウナギ、蕎麦、もつ焼きetc...)が食せ(1)、
お酒の種類も希望し(2)、
場所の指定もあり(3)、
また値段の制約もあろう。(4)

店の内部が喧騒過ぎないか、とかゆっくり話せるかどうか?(5)というのはかなり重要な要素であるし、
また店の接客がどのようなものか(6)、というのは下手をすれば五割くらいの顧客満足度に影響するものである。

季節によって、その店の「今の旬(7)」もあろうし、何より「訪問したい当日に予約できねば(8)」意味がない。
目的(9)が誕生祝いなのか、初めての商談か、手慣れた接待か、初デートか、合コンか、トラブルの話し合いなのか、
ということでも、ずい分と対象は変わってくる。

自分の知る限り、食通と言われる人はこうした上記の「十数個の要素を瞬時に考えている人」ばかりである。

さて。
web上でサービスをするコンシェルジェが、このレベルの客を満足させられるだろうか。
自分としては、ぜひ、チャレンジしてもらいたいと思う。
完全に山本益博先生のレベル、にはなり得ないだろうが、せっかくwebで膨大な量の情報を収集しているのである。
ミシュランよろしく、星も付いている。

ただ、「それら」を並べただけでは、今のぐるなび食べログの域を出ない。
そこからのプラスアルファをいかに、webのデータから抽出してくるか、という辺りが今後のwebの課題だと思う。

広く膨大に、しかし信頼性はそれほど高くなく集まるwebデータから、いかに「ピンスポット」に合う要素を絞り込むか。

結局このような試みは、じりじりと「デジタルデータが、知識(ナレッジ)へと変質すること」を追及しているのと同義である。

ビッグデータと言われる今の潮流が、こうした課題にもどんどん解を提示・追求し、いつしか"相当正解に近いライン"の答えを出せるようになるのは、実はそう遠いことではないのかもしれない。

(つづく)