東電は福島原発の除染スタッフをなぜか来年から3倍増にするという。
実際の除染作業は自治体や請負業者によって方法や手順がまちまちで、必要以上に土壌を削り取ったりするなど、除染効率が悪いケースもある。
ただ、除染費用は数十兆規模に達するというのだ。
国家予算規模の除染費用は誰が負担すると言うのか。
除染費用を巡っては、いったん国が肩代わりするが、東電に請求できることになっている。ただ、数十兆円にも達するとの試算もある除染費用を全額、東電が負担するのは不可能。国と東電がどのように費用を分担するかは明確になっていない。
弁護士や法曹界の識者や、大学教授などが主に指摘する通り、先の原発事故の処理については、「初動の誤り」を指摘する声が多い。
どんなに例外的な事象であっても「まず基本に則り」処理することを考えなかった政府の敗着である。
一旦「あいまいなまま」が許された事件は、その後は「さらに利害関係者が増え、関係が複雑化し」収拾がつかなくなる。
復興予算が半分も消化されず、また補償費は垂れ流しになり、被災地の人が働くための活動につながっていない、という報道を聞くたびに、同じ国の人間としては非常にやるせない。
一人当たり10万円の補償をもらい、働かずに時間を過ごす現地の人も決して満足はしていないだろう。
そんな「カラ景気」でどんどん税金を消費し、財政も破たんするのをただ見ている政治家も気の毒ですらある。
自分などはIT業界にいて、国の「利権構造」などとは縁遠い社会にいたが、つくづく「既得権益の麻薬性」というのに驚かざるを得ない。
人は安きに流れるものだが、それにしても「一旦得た立場や利益」を手放す、という事が出来る人はそれだけで才能だろうと思う。
それほど人は「得たもの」には保守的であり、その枠組みを壊すような行動に抵抗するものなのである。
こういうことは、「いつか自分もその病に罹る」という観点で覚えておいた方がよいだろうと思う。
守りに入り、革新や新体制を忌避し、理屈ではなく"大きな声で他人を恫喝する"ような現象が起きたら、自らの老いを疑うべきである。
そうした保守勢力に負けぬよう、ブレイクスルーする力を持たねばならないと思う。
東電、福島の除染要員を3倍に 全社員も順次派遣
2012/10/27 13:30
東京電力は2013年秋をメドに、福島第1原子力発電所の事故で拡散した放射性物質の除染活動に携わる福島県常駐の専門社員を現状の3倍以上にあたる300人以上に増やす。放射線量の測定や作業方法の指導を通じて除染活動が円滑に進むよう支援を強化する。除染作業を効率化して費用を抑制する狙いもある。11月にまとめる予定の中期経営計画に福島復興支援策として盛り込む。現在、福島県に常駐している除染専門社員は約100人。放射線の専門知識や技術を持っており、放射線量の測定や除染効果の確認、新しい除染方法の提案などを手がけている。
実際の除染作業は自治体や請負業者によって方法や手順がまちまちで、必要以上に土壌を削り取ったりするなど、除染効率が悪いケースもある。東電は支援体制を強化することで除染作業の効率化につなげたい考えだ。
中期経営計画には、来年から全社員3万8000人を年間2〜3回のペースで福島県に順次派遣し、被災家屋の清掃など生活再建支援を強化する計画も打ち出す。従来のボランティア活動とは異なり業務の一環として現地に派遣する。人数は年間で延べ10万人に達する見通しだ。
除染費用を巡っては、いったん国が肩代わりするが、東電に請求できることになっている。ただ、数十兆円にも達するとの試算もある除染費用を全額、東電が負担するのは不可能。国と東電がどのように費用を分担するかは明確になっていない。