藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

今必要なまつりごと。

日本国内は五輪招致に沸いているし、アメリカもシリア危機回避で株高に興じている。
けれど誰も「これが本物の実需」という感じは持っていないのが本音である。
そう言うことは、一般のタクシーのドライバーとか、居酒屋の主人に聞いてみるのがよろしい。
「大して景気は戻っていません。少なくとも一般客のお金の使い方では」という声が異口同音である。

それはともかく。
日本の報道では、ようやく福島原発の汚染水が、いよいよ漏れ出し、収容のキャパオーバーであり、さらに周囲との隔離もできておらず、「どこまで広がるのか」という雰囲気の見出しになっている。

ところが。
CNN始め、海外のメディアの報道はもう扱いが「世界レベルの汚染」という取り扱いで、「チェルノブイリ以来の汚染」とか「太平洋を汚し続ける国」という報道で、また決して大げさではないように思えるのである。

結局、震災から二年半経ち、当初の事故の模様の報道の正しさ、はともかく、その後の東電や政府の対応については、メディアも然るべき報道をせず、また「そういう声が内外にいくらもあったのにもかかわらず」頬かむりしてしまい、ついに今に至っているようである。

ことの重大性は、今に至っても「汚染水の隔離方法」に目途がついておらず、それを東電がギブアップし、政府が数百億円の予算を組んだ、と見えることである。
対策はなんと「今から考える」ということではないか。
これまでの汚染水が、夥しい貯水タンクに貯めっぱなしになっていることを考えれば、これからまだ数年は「前向きに浄化されてゆくシナリオ」は望めそうにない、というのが率直な見立ててである。

人的補償について、仮設住宅に移動したままの人とか、移住地の条件が行政とも折り合わず、
また過去の債務の整理がつていない人も多いと聞く。

復興についての明るい材料ももちろんあっていいが、絶対に放置できない問題についての対処が、震災以来「見て見ぬふり」をされ続けているのではないかと思う。
今一度、将来の計画に目を移す前に、過去についてやっておくべき総括をすべきではないだろうか。

今を逃せば、また「過去を顧みない垂れ流し政治」が続いてゆくばかりだと危惧する。
一般の有権者がそのことに気付かねばならないのだと思う。

漏洩タンク付近で基準超えるトリチウム 福島第1
福島第1原子力発電所のタンクから汚染水が漏れた問題で東京電力は11日、漏れたタンクの近くで採取した地下水から、トリチウム三重水素)を1リットル当たり6万4千ベクレル検出したと発表した。

東電は「漏洩の影響の可能性が高い」と説明。トリチウムは生物への影響が低いとされるが、他の放射性物質を含む汚染水が付近の土壌で拡大しているとみられている。

トリチウムが検出されたのは、8月に300トンの汚染水漏れが発覚したタンクの北側約20メートルにある観測用井戸。原子力施設からの放出限度である同6万ベクレルを上回る。

今回トリチウムが検出されたのは地下3メートル付近で、地下水脈がある地下7メートルまでは達していないもよう。9日には同じ井戸から1リットルあたり3200ベクレルのストロンチウムなどの放射性物質を検出している。

東電は汚染水の増加を防ぐため、汚染前の地下水をくみ上げて放流する対策を計画している。くみ上げ用井戸は、今回トリチウムが検出された観測用井戸に近い。放流計画に影響を及ぼす可能性もある。

大量漏洩のあったタンクに残っていた汚染水はすでに他のタンクに移送済み。東電は11日、問題のタンクを解体して漏洩の原因を詳しく調べる計画を示した。汚染水が染み込んだとみられる土壌の除去も進めている。