藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

よしりんの危機感。

特定秘密保護法案をめぐり、もう採決はされてしまったが報道が依然喧しい。
いわゆる識者が相次いで論壇に登場している。
(そして、この報道が一番盛んなのが朝日新聞、というのも今の若い人はよく見ておくべきだろう。報道とはやはり思想を伴うものなのである。)

しかし、政府が「どのうなケースを国家機密とするのか」ということを改めて定義しない限り、この議論は永遠に空回りし、結局は「何もはっきりしないまま運用」されるに違いない。
小林よしのり氏の言うように、戦前の治安維持法よろしく「よくわからないうちにかん口令」の世の中になるだろうと思う。

今の日本で、警察を根幹とした「独裁的な政治」が本当にできるのか?というのは疑問ではあるが、少なくとも「政府や権力者の都合のよいように情報を操作できる」ということでは困る。

ただし、即「言論統制・共産化」などという激昂した話ではなくとも、「日本の国家機密をどのように考えるか?」ということは、別途議論が必要なことではないだろうか。

「日本の守るべき情報」と「言論統制・知る権利の無力化」を同時に、同軸で話をするから、いつまで経っても議論も深まらぬし、結局時間切れで押し切られることになるのである。

一番賢くならねばならないのは国民であり、またそれを賢明にまとめ、リードしてゆくのがマスコミの使命であると思う。
今一度「批判ありき」ではない、日本のあるべきルールについて意見を主導してもらいたいと思うのである。

(秘密保護法案)わしも逮捕? 小林よしのりさん

■漫画家・小林よしのりさん
特定秘密保護法案は、安倍晋三首相のマッチョイズムの表れだ。中国や韓国が反日を強める中、軍事・経済的に強い国を目指す姿勢を示せば、国民はついてくると思っている。でも、それは長く政権にしがみつくための演技にもみえる。本当に「この国のため」と考えているのか。

保守派は「日本はスパイ天国だから秘密保護法が必要だ」と言う。しかし、3年前に尖閣諸島沖で起きた中国漁船衝突の映像を海上保安官が流出させた時、「よくやった」と喜んだでしょ。わしも喜びましたよ。公務員への罰則が強化されれば、あんなこともなくなる。「保守だから賛成」なんて言ってる場合じゃない。

社会問題を発言するわしにとって情報は命綱だ。イラク戦争では、大量破壊兵器がないと確信し、反対した。情報を得るために官僚に接触することもある。その時、特定秘密に触れれば、わしも逮捕されるんですか。言論人やジャーナリストが萎縮して、権力のウソを暴けなくなれば民主主義は成り立ちませんよ。

わしは国民も信じられない。国家の行く末を自分で判断するつもりなら、正しい情報が必要だ。なのに「一市民には関係ない」という政府の言い分を多くが信じている。

戦前の治安維持法共産主義運動の規制が目的だったのに、無関係の人間が捕まって拷問を受けた。「戦前みたいにはならない」。みんな、タカをくくっていないか。