藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

飲食店の経営要素。

1.腕距離
自店の料理の腕で、どの程度の距離の離れているお客を引き寄せられるか。
「自宅の近郊にあるから寄って行こう」という店は「腕の力」はあまりない。
当然この力が強いほど、より集客できる人の数は多い。

2.単価
安いから、そこに立ち寄る、というのは接客とも関連するが、ともかく「居心地」の要素も強い。
「近所にいないお客」はあまり呼び寄せず「安くて数多く行ける」という立地重視の特色になる。
俺の○○シリーズは料理の原価率が40-50%と破格に高いらしいが、

3.特別性
大した目玉商品とか、価格競争力がなくとも店主やホールの接客がよくて立ち寄る人は案外多い。
どうせおカネを使うならあの店で、という情緒もあろうが最も大きなのは「店と自分の距離」であろう。
接客の持つ力は大きい。
混んでいるときにも、なんらか便宜を図って入れるようにしてくれたり、また友人や客を連れていったときに特別に配慮してくれたりするもてなしのある店は、何かと使い勝手がいいものである。
よく店の側の人に聞くと「そこまではやってられない」という声をよく聞くが、「自分が大事にされている」という感覚は何よりも人を喜ばせるものである。
もてなす側である店はこれをもう少し重視してはと思う。

つまり「味」と「価格」と「場所」と「特別性」である。
この四つが相対的に関係しながら集客力が決まる。

と、すると。
四つの関係の深さは様々。
味がよくとも、価格が高い、とか
価格が安くとも遠過ぎるのも難しい。
場所がよくとも、接客がいま一つでもダメ。

結局「味と価格」はお店側の努力が生きてくる部分であるが、
場所については、無理せずに行きやすい所、つまり
「都心からは離れていないが、二階以上の空中店舗」とか
都心近郊だが、駅から近い、とか「(行くにあたっての)マイナスの要素」ができるだけ少ない所に店を構えてもよいのではないだろうか。
(つづく)