藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

多元連立方程式。

よく行く飲食店の経営者に「お店経営のポイントは」と聞くと、実に様々な回答が返ってくる。

「料理の味」
「料理の種類」
「酒の種類」
「酒の味」
「料理や酒の希少性」
「コース設定」
「単価」
などなど。

そして多くは「立地」も気にするようである。
あまりに辺鄙な場所も行きにくいが、「行こう」と思う人がさほど苦労せずに行ける場所なら、実はそれほどこだわらなくてよい、というのが客として「行く側」の自分の意見なのだがどうだろうか。

お店の人に聞くと「フリーの客が入らないから」という理由で一回の店舗が好まれる傾向がある。
なかなかこの立地についてのこだわりは強いのだが、もともと「フリーの客がバンバン来店する店」というのは固定客が予約してゆっくりする店、とはコンセプトが違う。
よく突っ込んで聞くと「道行く人に露出する」ということと「お店が狙う顧客イメージ」はあまり合致していないようである。
大通り沿い、駅周辺で「一見さんが入る店」なのか「それ以外で勝負する店」なのかは、明快にしてもらわないと、贔屓にする客のほうでも実は戸惑うものなのだ。
接客の仕方もそれによって変わってくるだろう。
今はなくなったが銀座のキハチなどは、大規模レストラン型なのに接客はホテルのようで驚いたものだが、そういうサービスの色が明確な店はあまり多くない。
成功のカギは、実は料理*酒*単価*接客、の四つの変数だけで決まるのではないか。
それぞれ突き詰めれば無限に深いが、経営の方針は整理して打ち出していく必要があるのではないだろうか。