藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

飲食のキモ。

東京で十年も生活してみて、ふと別の場所(関西とか、神奈川とか、九州)に行ってみて気づくこと。

一つには都心の山手線の南半分、あたりでは地価が極端に高いこと。
そして当然のごとく、その辺りは家賃や飲食店の単価も高い。
「供される物やサービスが高額なのは、そこの付加価値が高いから」という経済学の解釈はともかく、便利な場所だが高い。

世田谷のはずれでとびきりの鮨を食べさせる店があるが、それでも食事の単価は都心部の約半値である。
店主に聞くと「場所と、そして自前の土地家屋だからですよ」とのこと。
場所は外れれば「近隣の競合」を少なくするし、また自前の土地家屋で長期的には場所のコストをなくしてゆく。

当たり前ではあるが、お店を経営する人にはとても参考になる話である。

飲食店は無限に席数や設備が増強できるわけではないから、自ずと「規模、単価」がコンセプトとしてはっきりしていないと経営が迷走する。

ガイドブックにも載り、地方や海外からの観光客が来る店でも三年と続かないところも多い。
"一定の方針で一定の継続"ということができていないのだろう。
いま流行の「俺の○○」ほどに鮮明なものでなくとも、「料理の腕」と「地代と規模のコスト」を考えれば、継続できる店かどうか、という判断はあまり難しいものではないのでは?と思うのだが素人考えだろうか。
飲食店の成功の鍵は何だろうか。
(つづく)