藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

必要な能力は何か。

電子メールやメッセンジャーの今の時代になり、コミュニケーションの取り方が変わったと実感することがある。

それはどうも「相手のテキストの意味」は正確に理解するけれど、
「相手の表情を読む」という部分をバッサリ切っているからなのかもしれない。

日本人には100万人を超える患者がおり、うつ病の人や内気な人も「自閉症」と呼ぶことがあるというが、これは完全な誤りであるらしい。
そもそも自分たちが日常会話で使う形容詞としての"自閉症"(これが良くないのだ)と、正式な病名としてのそれは別物なのである。

現在では先天性の脳機能障害によるとされており、多くの遺伝的因子が関与すると考えられている。

自分たちは、忙しく過ごす日常の中でこうした「新しい表現」については軽々しく雰囲気を読み取って、安易に使うということに注意せねばならないと思う。

それはともかく。
その多くは先天性の脳機能障害である「自閉症」が、母乳の分泌を促すホルモン"オキシトシン"を服用すると改善するという記述。

オキシトシンを服用した場合は表情から気持ちを判断した回数が約6パーセント増えた。
また、他人の感情や考えを理解する際に働く脳の部位が、活発に活動していることも確認した。

単純に考えると「母乳の分泌」がすなわち「表情を読むこと」にシフトしたということになる。
自閉症、あるいは自閉症の気味が現代のテキストコミュニケーションと共通の要素があるのなら、いま最高に用いられている「メール」でこそ表情の意味が重要なのだと導ける。
表情を読む、という行為の欠如が自閉症などのコミュニケーション障害の正体なのだとすれば、そうした能力を磨くような意思疎通の「伝達方法そのもの」をこれからは確立してゆく必要があるのではないだろうか。
単にオキシトシンを服用させて、何か全体が解決するものだとは到底思えない。
デジタルコミュニケーションの提供側はこうしたことを「自らのメディア」として真剣に考える義務がある時代に入っているのだと思う。

母乳ホルモン、自閉症改善か=気持ちくみ取りやすく―東京大
自閉症患者が母乳の分泌を促すホルモン「オキシトシン」を服用すると、他人の気持ちをくみ取るのが難しい症状が改善すると、東京大の山末英典准教授の研究チームが18日付の米医学誌に発表した。治療法につながる可能性があるという。

研究チームは、知的障害を伴わない自閉症の成人男性40人にオキシトシンを鼻から吸い込ませた上で、俳優が笑顔で不快な言葉を発する映像と、嫌悪の表情で好意的な発言をする映像を見せた。

自閉症患者は通常の人に比べ、表情より言葉の内容そのものを重視し、真意をくみ取れない傾向があるが、オキシトシンを服用した場合は表情から気持ちを判断した回数が約6パーセント増えた。また、他人の感情や考えを理解する際に働く脳の部位が、活発に活動していることも確認した。 
時事通信社