藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

分かっていることとできることの大違い。

asahi.comより。
いわゆる伝説の会社である。
ただし、まねをしようと思ってもなかなかできない。

もう自分も創業して二十年以上経つのだけれど、「結局何をしてきたのか?」という問いにはしばしば苛まれる。
そしてそれはそのまま自分自身の「これまで何をしてきたのか?」という総括観へと直結するのである。

どんな風にすれば会社や自分の人生が意味のあるものになるか。
日日過ぎてゆく日常の中で、多くの人がそうした設問とすれ違っているに違いない。
毎日をやりきるだけでも相当大変だし、さらにそこに意味を見出すとか、よほど余裕がないと難しそうにも思える。

電話1本で電球1個から配達、取りつけるのは「本業」だから当たり前。毎週、ドラマの録画予約をする、通りがかりの営業車でお客さんを病院に送る、植木に水やりする、なくした鍵を一緒に捜す、雨どいを掃除する、宅配便を預かる、玄関ドアの不具合を修理する、高齢者には重い水を買って運ぶ、果ては、旅行中の留守宅が心配なお客さんの代わりに泊まる……。まるで、ご近所の困りごと相談所だ。

ビジネスライクというけれど、結局"商売の真髄"というのはこういうことなのかもしれない。
これまで数知れず経営書とか、成功した人の著作などを読んできたけれど、どれ一つとして画一的なものはなかった。

むしろ多様でそのオリジナリティに感心させられることの方が多く、だから自分の参考にはならないのである。
けれどお客さんの親身になりきる、ということには真似のし辛さはないはずである。
これができるかどうか、というのは自分の一つのテーマであると思っている。

(へぇな会社)ヤマグチ 本業以外もトンデ行きます
(家電販売)

東京都町田市の家電販売店「ヤマグチ」は量販店より平均15%高く、時に2倍近い価格で売って17年連続で黒字を計上。山口勉社長(71)は「かゆくなる前にかいてあげる気配りをすれば高売りできる」と話す。

きっかけは1996年、近くに大手量販店が相次いで進出した。売り上げが3割は減ると覚悟した山口社長は、同額の利益を確保するため、粗利を10ポイント上げて35%にする作戦に出た。そして展開したのが、徹底した御用聞き営業だった。

商圏を町田市、相模原市と隣接地に限り、3万4千軒あった顧客を1万軒に絞った。地区別に社員1人が400〜500軒を担当。優良顧客は必ず月に1回以上、訪問する。

「ヤマグチはトンデ行きます」がモットー。電話1本で電球1個から配達、取りつけるのは「本業」だから当たり前。毎週、ドラマの録画予約をする、通りがかりの営業車でお客さんを病院に送る、植木に水やりする、なくした鍵を一緒に捜す、雨どいを掃除する、宅配便を預かる、玄関ドアの不具合を修理する、高齢者には重い水を買って運ぶ、果ては、旅行中の留守宅が心配なお客さんの代わりに泊まる……。まるで、ご近所の困りごと相談所だ。こうした「裏のサービス」(山口社長)で顧客の心をつかむ。担当者は毎日「お客さまにしたことシート」に裏サービスを書き込む仕組みだ。

もう一つの柱が顧客台帳だ。ヤマグチでの購入履歴はもちろん、他店で買った製品の購入時期、家族構成、間取り、趣味などが書き込まれている。台帳をもとに「9年以上冷蔵庫を使っている顧客」にだけ買い替えを勧め、冷蔵庫が売れにくい毎年1、2月に大型冷蔵庫を200台近く売っている。

社員の評価も粗利額だ。給与の3割を占める成果給は粗利に連動。他店ではマル秘の最終仕入れ価格も、安売り防止のため社員に公開。社内では粗利を「売り上げ」と呼ぶ。

10年かかると思われた粗利35%は8年で達成。今は40%近い。「うちのお客様は富裕層ではない。年金生活者も多い。手厚いサービスを求めるお客様は必ず一定割合存在する。それをつかめれば高売りは夢ではない」と山口社長は話す。
(畑川剛毅)

1965年創業。社員37人。2013年3月期の売上高は10億円。最終利益2400万円。店で毎月イベントを開く。

●社員のつぶやき 訪問営業担当 白幡誠さん(47)
町田市小山町と周辺の400軒を1日10〜15軒は回り、話すのは5分から1時間と様々。孫自慢で盛り上がったり、弟さんの引っ越しを相談され都営住宅の申込先を案内したり。営業している感覚を忘れます。すると最後に「で、何を買ってほしいの」と言われることが多いです。