藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

会話の相手は誰か。

業界としては珍しくお堅い"金融"が率先してAIを導入している。
というか「何でもAI」の典型で、まだそれほど優れた知能があるわけでもない。

それにしても「なんちゃってAI」で思うのは「そんなこともまだ人がやっていたの」ということに気づかされることだ。

結局、これまでは「人手」でやっていたことが「どんどんどんどん」コンピューターに置き換わっているだけで、そんなに「有りえないこと」が実現されているわけではない。

むしろ、これまでは「気の利いた一部の人間」がやっていたことを、一部コンピューターが真似している、というくらいで、今騒いでいるのは「工夫が足りなかった人間たち」ということではないだろうか。

そしてこの傾向はこれからもしばらく続くだろう。
「人」がちょっと機械がついてこれないから、という理由で「侮って」いた仕事がどんどん機械化されているのだと思う。

だから自分のしている作業も「本当に人間の自分がやらねばならないことかどうか」を改めて考える時代が来ていると思う。

家族や友人たちとの「感情のやり取り」はともかく、"仕事上の質問とかレスポンス"については本当に「自分だからできているのかどうか」ということは一考に値すると思う。

そういう意味では、人は「自分の期待するレスポンス」を期待する生き物だから、案外コンピューターとかのプログラムに乗りやすい生き物なのかもしれない。
人の行動形態が類型化されて、「ほとんどのこと」がプログラムで対応可能になるのはそんなに遠い先のことではないのではないだろうか。

銀行、AIで顧客開拓 三井住友は電話営業で助言

2016/11/28 13:40
 大手銀行で人工知能(AI)を顧客開拓に活用する動きが広がっている。三井住友フィナンシャルグループ(FG)は電話で金融商品の勧誘をする際に、AIが相手に提案すべきことをその場で助言するシステムづくりを始めた。新生銀行は来年2月から、AIが顧客にあった商品や営業手法を提案する仕組みを取り入れる。AIで営業活動を効率化し収益力を高める。

 三井住友FGはNTTデータと連携してシステムをつくる。具体的にはオペレーターの社員が電話をかけて顧客に金融商品の勧誘をしている最中に「次の一手」をパソコンの画面上で指示する。たとえば「お客さまに送付資料の確認を促す」や「語尾に重ねるようにあいづちをうつ」といった助言をする仕組みだ。

 7〜9月には三井住友の社員と顧客の実際の電話営業のやりとりをAIに読み込ませた。どういうやりとりをしたときに契約が成立し、どういう場合に契約に至らなかったのかなどを分析した。今後、データを蓄積してマシンラーニング(機械学習)を繰り返して助言の精度を高め、2018年にも実用化をめざす。

 新生銀は子会社が出資するITベンチャー「セカンドサイト」が持つデータ解析・分析のノウハウを活用する。同行が持つ約300万の口座の出入金履歴や職歴などのデータをAIが分析。保険や投資信託、住宅ローンなど金融商品ごとに「購入確率」を算出し、ニーズのありそうな顧客を割り出す。

 さらに電話やダイレクトメールなど、顧客ごとに最も効果が高いとみられる営業手法も提案する。提案の結果、売れたかどうかをAIに入力し、ディープラーニング(深層学習)を繰り返すことで、より確度の高い提案をできるようにする。

 大手銀以外でも活用が始まっている。静岡銀行は2月から、顧客にAIで算出した貸し出し可能額をダイレクトメールで伝えるサービスを始めた。顧客の年齢・性別などの情報や入出金明細などのデータをAIが分析し、貸し出し可能額を算出。AIが教育ローンなどを利用する可能性のある顧客を選び出し、ダイレクトメールを送る。新たな顧客を掘り起こすねらいがある。

 日銀のマイナス金利で、預金と貸し出しの利ざやで稼ぐ従来の金融機関の収益モデルは苦戦している。資産運用などで顧客の争奪競争が過熱するなか、金融機関は蓄積した大量の顧客データをAIで分析すれば効率良く営業活動が進められるとみている。営業分野以外でもみずほフィナンシャルグループがコールセンター業務にAIを導入するなど、活用の幅が広がっている。