藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

ようやく、自分の選択。

ビジネス界で「多様性」というと、もう頻出語になっているが(20年前には全くなかった)ようやく日本人が「画一的な選択」から脱出し始めている、というだけのことではないだろうか。
ヨーロッパやアメリカの友人に聞いても「結婚しない」とか「子供が欲しいか」とか「どこに住むか」ということを自分なりに決めるのはむしろ当然で、今更「結婚しないアラフォーの何が珍しいのか」という反応だった。

ライフスタイルというか、選択肢がそれだけ増え、またそれを選ぶ余裕もできてきたというだけのことかもしれない。
シングルマザー、シングルファーザー、DINKS事実婚同性婚と、自由に選べるような社会インフラこそが大事なのだ、というのがフランスの友人。
さすがに「そういうものか」と感心してしまった。
日本は高度成長期が終わり、やはり「個性ボケ」しているきらいがあると思う。

自分自身でもそう。
「皆と同じでいると楽でいい」という感覚が強いから「あえて選択せよ」という場面になるとずい分悩む。
自己責任だけれど、もっともっと多様な選択肢が、若い人にも中年にも壮年にもあると思う。

自分で選択する、という最高の行為をもう少し積極的に考えたいものである。

「僕は結婚しない」と言い切るアラフォー男性の本音と課題

恋愛・結婚・人間関係コンサルタント/コラムニスト 木村隆志

 なぜか結婚しないアラフォー男性。おせっかいとは承知しながら、本シリーズでは「 結婚しない30、40代男性の生態学 」を手始めに、それはなぜかを恋愛・結婚コンサルタントの木村さんに分析してもらっています。驚いたことに、彼らの中には「結婚する必要性を感じない」と言い切る人もいて、「なんでまたそういう結論になっちゃうの?」と、ナゾはナゾを呼ぶばかり。ニッポンの未来は、果たして大丈夫なんでしょうか?
すてきな女性を前になぜ、結婚しようという気が起こらない?(写真はイメージ)
すてきな女性を前になぜ、結婚しようという気が起こらない?(写真はイメージ)
 こんにちは。コンサルタント木村隆志です。

 現在、日曜午後9時から放送されているドラマ『家族ノカタチ』(TBS系)で、香取慎吾さんが「自分の意思で結婚しない」アラフォー男性・永里大介役を演じています。一見、特異なキャラクターに見えますが、大介のような男性はドラマの中だけではありません。これまで私は多くの「僕は結婚しない」と言い切るアラフォー男性に出会い、話を聞いてきました。

 いまだ婚活ブームが続き、「いつかは結婚したい」という男性が大半を占める中、彼らはなぜ「結婚しない」と言い切れるのか。彼らの本音と、その裏にある微妙な心理を紹介していきます。

仕事や趣味を制限されたくない

 「今は仕事が充実しているし、頑張りどころなので、息抜きの恋愛くらいならいいけど、結婚を求められると引いてしまう」(41歳男性)

 「僕は食べることと旅が好きで、週末は必ずどこかの店へ食べに行きますし、年に2〜3回は海外旅行もします。結婚したら週末も長期休暇も、全部制限されてしまいますよね」(38歳男性)

 「趣味のクルマにかなりお金をかけていますが、楽しすぎてやめられないんですよ。だから、僕は結婚に向いていないというか、結婚しちゃ駄目な人だと思います(笑)」(39歳男性)

 最も多かったのは、「やりたいことがあるから結婚しない」という声。「趣味が楽しい、あるいは仕事が充実しているため、結婚するとそれが失われてしまう」と考えているようです。

 実際、結婚すれば、独身時代よりも時間とお金の制約は間違いなく受けるでしょう。彼らは「趣味や仕事のことでいろいろ言われたり、けんかをしたりすることが一番苦痛」と思っていて、それを未然に防ごうとしているのです。

 しかし、3人に「一生一人で暮らしていけると思いますか?」と聞いたら、「それは分からない」という言葉が返ってきました。すなわち、「やりたいことがあるから結婚しない」と言っているアラフォー男性は、他人への共感力に欠ける現実逃避タイプ。

 「やりたいことをやりたい。でも、一人で生きていく覚悟はない」、さらに心の奥で「この先結婚しようと思ったら、男はまだまだチャンスはある」という根拠のない優位性を感じているだけなのです。

2016年02月16日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun

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過去の苦い経験が邪魔をする

なぜか、あと一歩が踏み出せない(写真はイメージ)
なぜか、あと一歩が踏み出せない(写真はイメージ)
 「2年間婚活をしましたが、けっきょく結婚どころか、付き合うことすらほとんどできませんでした。結婚相談所のカウンセラーさんにも駄目出しされるし、『自分には無理かな』と思うんですよ」(41歳男性)

 「3年前に婚約解消したことがあって、こちらも向こうも家族を巻き込んで本当に嫌な思いをしたので、もう結婚はしたくないと思っています」(39歳男性)

 「前妻との離婚で懲りました。一緒に住んでいると逃げ場がないし、籍が入ったというだけで、女性は鬼のように厳しくなりますから。僕みたいな考え方のバツイチはけっこう多いんじゃないですか?」(43歳男性)

 次に目立ったのは、「過去の恋愛・結婚が影響して結婚しない」という声。恋愛のトラウマ、婚活疲れ、離婚歴などから、結婚を避けているのです。

 なかでも最もやっかいなのは、結婚そのものへの嫌悪感が強いタイプ。過去の失敗を「たまたまうまくいかなかっただけ。たまたま相手が悪かっただけ」と受け流せず、「反省して次に生かそう。きっと大丈夫」と前向きに考えることもできないのです。

 しかし、彼らに「相性のいい女性が向こうからアプローチしてくれたら、受け入れて結婚するのでは?」と聞いたら、「そんなうまい話はないと思うけど、もしあるなら結婚すると思う」と言うのです。すなわち、「過去の恋愛・結婚が影響して結婚しない」と言っているアラフォー男性は、お膳立てを待っているだけの甘えん坊タイプ。

 表向きは「自分にも結婚にも自信がない」と言いつつ、心の奥では「でも、完全にあきらめたわけでもない」「この状況から救ってほしい」「誰かに助けてもらいたい」と受け身であるにもかかわらず、希望を捨てられないのです。

結婚の必要性を全く感じない

 「そもそもなんで結婚しなければいけないのか、分からないんですよ。周りからは『変わってるね』と言われますが、僕には文句や悪口を言いながら夫婦をやっている人たちの気持ちが全く理解できません。それなら恋愛で十分でしょ」(40歳男性)

 「僕は自分一人のライフスタイルが確立されてしまったので、誰かと一緒に住むのは難しいですね。そりゃあ家事をやってもらえるなら楽でいいとは思いますが、合わないところは絶対にあるし、メリットよりデメリットのほうが大きい」(39歳男性)

 「はっきり言うと、責任を負いたくないんですよ。今まで通り自由に生きていたいし、結婚すると何かとそうはいかなくなるじゃないですか。だから20代の女の子と付き合っているくらいがちょうどいいし、もてなくなったらキャバクラにでも行きます」(42歳男性)

 私が最も驚かされたのが、「結婚の必要性を感じない」という声。「メリットを感じない」「責任を負いたくない」「面倒くさい」などと、結婚そのものを真っ向から否定しています。

 彼らに共通していたのは、結婚のデメリットに対する強烈な拒否反応。友人や同僚などの失敗談を挙げて、「普通に考えれば、失う物のほうが大きいことが分かる」「だから僕は結婚しない」と自信満々に言うのです。

 しかし、彼らに「恋愛はしますよね? その相手を本気で好きになる可能性はないのですか?」と聞いたら、「恋愛はするし、本気で好きになることもあると思う」と素直に答えてくれました。さらに、「その相手から『結婚したい』と強く迫られたらどうしますか?」と聞いたら、「事実婚とか、結婚しなくていいように説得する」などと言うのです。すなわち、「結婚の必要性を感じない」と言っているアラフォー男性は、内心寂しがり屋で自己矛盾に気付いていないタイプ。

 結婚という形に過剰な拒否反応をしているだけで、「女性と一緒にいたい」という本質的な気持ちは既婚者と変わらないのです。実際このタイプは、一生独身で過ごす人よりも、アラフィフが近づいてきたころ「人生で一度は結婚してみたいな」と心変わりする人のほうが多いもの。ただ、そのことを3人に話したら、「そういう人もいるだろうけど、僕は違う」と笑い飛ばされてしまいました。

 アラフォー男性が「僕は結婚しない」と言い切るのは、「やりたいことがあるから」「過去の恋愛・結婚が影響しているから」「必要性を感じないから」という三つの理由がありました。しかし、その理由から見えてきたのは、「他人への共感ができず現実逃避」「お膳立てを待っているだけの甘えん坊」「寂しがり屋で自己矛盾に気付けない」という彼ら自身の課題。これらの課題を解消して、それでも「僕は結婚しない」と言い切れるのなら、それはひとつの生き方と言えるのではないでしょうか。

◆木村さんのこれまでの記事

結婚しない30、40代男性の生態学

「30・40代の男性が婚活で挫折する」六つのパターン

20代女性に聞いた「こんなアラフォーは結婚できない」

婚活中30代女性に聞く「アラフォー男性、アリとナシの境界線」

未婚・既婚の40歳男性に聞いた「結婚相手の理想と現実」

アラフォーカップルの約8割が同棲〜結婚観の男女差に衝撃

プロフィル
木村隆志( きむら・たかし )
 恋愛・結婚・人間関係コンサルタント/コラムニスト。名古屋の巨大式場でウェディングプランナーのキャリアを積んだのち独立。ティーンから更年期世代まで、幅広い年齢層の相談を受け続け、コンサル数は対面だけで通算1万組を突破。各メディアへの執筆にも精力的で、著書は『告白女(コクジョ)〜運命を変える告白術51〜』、『好感度がアップするプラスひと言会話表現605』、『トップインタビュアーの聴き技84』、『友活はじめませんか? 〜30代からの友人作り』、『恋のリトマス試験紙』(共著)、最新刊『40歳からはじめる 一生の恋人の見つけ方』が発売中。ご相談などは、『 恋愛コンサル.net 』まで。
『話しかけなくてもいい!会話術』
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2016年02月16日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun