藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

脳の鈍化はなぜだろう

介護の現場で今一番の話題といえば認知症だろう。
認知症を知れば知るほど「症状」と「原因」と「対処法」の謎が連鎖する。

今現在、特効薬はない。

結局今現在のところ「決定打」がないのは、その他多くの「かつての病気」と同じ状況だ。

「脳を活性化させると減少する」ということならば「脳が活性しなくなっている」のが現代社会ということになる。

確かに、特に都会で生きていると「特に考えることなく」生活できてしまう。
そうした「文明の便利」が人の脳の活性を奪っているのだとしたら、「便利さとは何か」「なぜ必要なのか」を改めて問い直す時期が近々訪れるに違いない。

認知症の症状にどう対処するか、ではなく「なぜ脳が鈍化するのか」について考える必要がありそうだ。
自分の周りの「便利なもの」はスマホも含めて実は"危険物"なのかもしれない。

認知症の35%は予防できる 「最大の要因は聴力低下」 英UCLのリビングストン教授に聞く

 英医学誌「ランセット」の国際委員会が「認知症の35%は予防できる」とする研究論文を7月に発表して話題を呼んだ。複数の認知症に関する論文を統計的な手法で解析し、改善できる9つのリスク要因を指摘した。指揮した英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)のジル・リビングストン教授に、認知症の予防法などについて聞いた。

 ――認知症の人は今後どのくらい増えますか。

英UCLのジル・リビングストン教授

 「2015年時点で世界に約4700万人と推定されており、50年に約3倍の1億3100万人になると予測されている。世界の経済的な負担は15年時点で8180億ドル。50年には2兆ドルを超える見込みだ」

 ――認知症のリスク要因はなんですか。

 「研究で分かった最も大きな要因は、中年期(45〜65歳)の聴力低下で全体の9%を占めた。中年で耳が遠くなると、9〜17年後に認知症になる例が増える傾向がある。次は中等教育(12〜14歳)の未修了が8%にのぼる。教育を受けることで、脳を活性化して認知機能を高めると同時に、食物に気を使ったり運動をしたりして健康に気を配るからだ」

 「このほか中年での肥満、高血圧、65歳以上の高齢期での喫煙、うつ、活動量の低下、社会的な孤立、糖尿病が十分証拠があるリスク要因だった。これら9つの要因を改善すれば、認知症の3分の1を防ぐことができる。遺伝的な要因は7%にすぎなかった」

 ――実際に予防効果の報告はありますか。

 「米英、スウェーデン、オランダなどでこのようなリスク要因を改善し、生活習慣を変えると、認知症が減るという報告がすでにある。その大部分は教育によるものだ」

 「研究チームの調査では、生活習慣の改善により認知症が減ったという日本の研究報告はなかった。だが日本でも栄養バランスの改善や、高血圧や聴力低下の防止、持続的な運動によって、認知症になる人を減らせると思う」

 「認知症の新薬開発は今のところ、うまくいっていないし、まだ時間がかかる。予防で認知症を減らす方が、医療コストの削減につながる」

(聞き手は西山彰彦)