藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

課題は見えていること

日本の「働き手不足」はもう連日報道されている。
「高齢者がもっと働く」「子供を育てられる補助を増やす」方向に向いている。
日本だけに限らぬらしい。

IMFによる最新の見通しでは、先進国39カ国の失業率は18年に5.3%に下がる。
07年(5.4%)を下回り、データのある1980年以降で最も低くなる。
これらの国ではモノやサービスの需要が戻り、先進国全体では10年ぶりに経済の需要が供給を上回る。

世界的に「働き手」が減っているらしい。
世界的な人口ボリュームの高齢化だ。

それでも賃上げが鈍いのは、働き手の不足が経済の制約になり、成長への期待が下がっているためだ。
高齢化で現役世代が減り、景気回復で増える需要をまかなえない。
欧州の研究機関「プログノス」は、ドイツでは30年に熟練労働者が300万人不足すると試算する。

むむむむ。
なんか"匂い"がする。
イノベーションの匂いが。

米国も同じだ。全米住宅建設業協会のデータでは、作業員の不足で72%の業者で納期が遅れ、35%では注文を断っている。
米百貨店大手コールズは6月下旬までに、全米の300店以上で9月の新学期セールと年末のセールに向けた期間従業員の募集を始めた。
最近は顧客よりも従業員の奪い合いが激しい。

客の注文を断ってでも対処せねばならない。
まあ非常事態だ。
でも。
自分の知る限りこういう「非常」は長くは続かない。
何かこうした事態をブレイクスルーする「工夫や仕掛け」が突如現れるものだ。
多分今の時代なら「ITがらみ」だろう。
IT×ロボット×ボランティア、かもしれない。
「人が足りないのだ」という事態を、必ず自分達は克服するだろうと思う。
そういうことを、自分としても考えてみたいものです。

人手不足 欧米でも壁 失業率最低も賃上げ1%台 生産性向上、成長を左右
先進国で失業率が下がっているのに、賃金がなかなか上がらない。背景にあるのが、人手不足が足かせとなって経済の活力が落ちる供給側の要因だ。企業は成長への期待を失えば、賃上げをためらう。人手不足の壁を乗り越えるには、生産性を高める施策が一段と重要になる。

景気回復が9年を超えた米国。中央銀行の米連邦準備理事会(FRB)で、賃金が論争の的になっている。「企業は原材料の値上がりへの対応を優先し、賃上げを後回しにしているのではないか」。失業率が低いのに賃金は伸びない日本的な現象に戸惑う。

国際通貨基金IMF)の統計によると、先進国の賃金は2008年のリーマン・ショック前までは前年比3%台の伸びが続いた。それが危機の影響で1%台に落ちた後、17年になっても1%台から抜け出せない。

従業員奪い合い

賃金と関係が深い労働需給は引き締まっている。IMFによる最新の見通しでは、先進国39カ国の失業率は18年に5.3%に下がる。07年(5.4%)を下回り、データのある1980年以降で最も低くなる。これらの国ではモノやサービスの需要が戻り、先進国全体では10年ぶりに経済の需要が供給を上回る。

それでも賃上げが鈍いのは、働き手の不足が経済の制約になり、成長への期待が下がっているためだ。

「家の塗装ですか? 3カ月後なら何とか」「タイヤ交換は2カ月先までいっぱいです」。ドイツの首都、ベルリンでは熟練労働者が足りない。高齢化で現役世代が減り、景気回復で増える需要をまかなえない。欧州の研究機関「プログノス」は、ドイツでは30年に熟練労働者が300万人不足すると試算する。

米国も同じだ。全米住宅建設業協会のデータでは、作業員の不足で72%の業者で納期が遅れ、35%では注文を断っている。米百貨店大手コールズは6月下旬までに、全米の300店以上で9月の新学期セールと年末のセールに向けた期間従業員の募集を始めた。最近は顧客よりも従業員の奪い合いが激しい。

人手不足の制約を示すのが、労働参加率の低下だ。15歳以上のうち働く人と働く意欲のある人の比率を示し、高齢者が増えると下がりやすい。経済協力開発機構OECD)によると主要7カ国(G7)は男性の参加率が09年に70%を割り、17年も67.6%にとどまる。IMFは「政策面の対応がなければ、労働参加率は大きく下がっていく」とする。

国連によると、高所得の51カ国では15〜64歳の生産年齢人口が20年に7.8億人でピークとなる。世界に先駆けて1998年から減少が定着した日本は、この頃から就業者数が潜在成長率を押し下げるように働き始めている。みずほ総合研究所の門間一夫氏は「経営者は成長への期待を持ちづらく、賃上げに慎重になるおそれがある」と話す。

高齢者には制約

働き手不足を補うのは高齢者だ。ただ、高齢者は短時間の働き方を選ぶ人が多いという制約がある。

福岡市のある女性(60)は4月から3年ぶりにパートタイムで保育士の仕事を再開した。以前は週に4〜5回だったが、今回は「時給が上がっていたので、週1、2回で無理なく働きたい」。

三菱UFJリサーチ&コンサルティングの試算では17年の労働投入量は12年比1.4%増で、4%だった就業増を下回る。景気の回復局面では残業が増えて労働投入も伸びるはずだが、13年以降に労働投入の前年比伸び率が就業を上回ったのは17年だけだ。同社の試算では足元の就業増で上がった日本の労働投入は24年には再び減少に転じる。

労働投入の不足による成長力の低下を防ぐため、IMFは移民の受け入れを提言する。だが、移民には賃金を下げる面もある。経済成長の持続には「労働生産性の向上」(三菱UFJリサーチの土志田るり子氏)が欠かせない。

人手不足がもたらす省力化の動きは生産性に影響を与えそうだ。日銀は昨年7月のリポートで、これまでは人手がかかる業種ほど省力化の投資をして、賃金コストを抑えていると分析した。一方で省力化が進めば、企業は人材を収益部門にまわすことができる。日銀も「いずれ生産性の向上につながる」と期待する。

人材への投資も必要だ。BNPパリバ証券の河野龍太郎氏は「アイデアや技能を持つ高度な人材を政府と企業が一体で育てる必要がある」と話す。日本は技能を持つ人が高い賃金の職場に移る労働の流動性はまだ乏しい。人手不足の低成長は、先進国の政策課題を浮かび上がらせている。

(後藤達也、福岡幸太郎)

本コンテンツの無断転載、配信、共有利用を禁止します。