大陸間横断とかにはまだ、飛行機で10時間以上もかかるので改良の余地はありそうだが、近距離交通の未来はいかに。
ほんの数年前まで「手塚治虫の描いた"空飛ぶ車"の未来都市はこない」と言われていたのに、どうも近々実現しそうだ。
記事では「米国で交通渋滞がもたらす経済的損失は年1600億ドル(約18兆円)にのぼる」と書かれているけれど、これからのネットワーク社会においてはそんなに必要なのかなぁと思っていましたが。
鉄道を引いたり道路整備をするコストを考えれば「空飛ぶタクシー」は案外中距離移動の切り札になるのではないだろうか。
世界中の「地方都市の空港から都心部」までが短縮されるのなら需要はありそうだ。
これからの技術は「なんでも空を飛ぶ」とか「どこまでも高い建物」とかではなく、「ちゃんと必要なところへの適用」が傾向になっていくのではないだろうか。
技術も成熟してゆくのに違いない。
米、渋滞解消へ新交通 ウーバー、空飛ぶタクシー テスラ系は地下に高速EV
【シリコンバレー=白石武志】米国のテクノロジー企業と自治体が、都市の渋滞解消に向けた次世代交通構想を相次いで具体化している。ウーバーテクノロジーズがロサンゼルス市などと「空飛ぶタクシー」の実験を始めるほか、テスラ系のトンネル掘削会社もシカゴ市から高速地下交通システムの認可を受けた。米国で交通渋滞がもたらす経済的損失は年1600億ドル(約18兆円)にのぼるとの試算もあり、SFのような新交通構想の実現を後押ししている。「ウーバーエア」の発着場(イメージ)
ウーバーはロサンゼルス市やダラス市と2020年から小型飛行機を使った空のライドシェアサービス「ウーバーエア」の実証実験を始める。機体メーカーと開発を進めている5人乗りの垂直離着陸機を使い、ビルの屋上に設けた発着場を結んで旅客を輸送する。
車で1時間20分かかっていたロサンゼルスの空港から都心部までの移動が27分に短縮できるという。将来は操縦を自動化して人件費などを抑え、1人あたりの旅客輸送コストをヘリコプターの約20分の1まで下げる見通し。ウーバーで空飛ぶタクシー事業を統括するエリック・アリソン氏は「米国外の自治体も意欲を示している」と話す。
ボーリング社が地下交通に使う電動車両(イメージ)
シカゴ市はこのほど、空港と都心部を結ぶ高速地下交通システムの建設・運営事業者に、テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が設立したトンネル掘削会社、ボーリング・カンパニーを選定した。「シカゴ・エクスプレス・ループ」と呼ぶトンネルを建設し、8〜16人乗りの電気自動車(EV)を30秒おきに最高時速240キロメートルで走らせる。
完成時期は未定だが、空港から都心部までの所要時間は12分と、従来の公共交通機関の4分の1に短縮できるという。10億ドル(約1100億円)とされる建設費は全てボーリング社が調達し、市側の負担は発生しない契約とした。投資を回収するため運賃は鉄道より高くなるが、タクシーやライドシェアサービスの半額以下に抑える方針だ。
同社にとって、シカゴ市は行政が認可した初のケース。同社はロサンゼルスでも掘削を始め、最初の4.3キロメートルの区間は「ほぼ完成した」(マスク氏)。空港から都心部までの運賃を1ドルにする計画で、地下鉄運営会社などと調整しながら実験を始める。
次世代交通システムは安全確保と法規制が実現の壁となっていた。ただ自動運転などの技術革新に加え、新市場の覇権を狙うテクノロジー企業と先進性をアピールしたい自治体の思惑が重なり、計画の具体化が相次いでいる。