これがパラダイムシフト。

*[次の世代に]土俵が変わる時。
たった、ここ200数十年の間「限りなく自由」を追求してきた米国の優位が、果たして本当に揺らぐのか。
エンジニアが1つのパソコンで起業できる時代となったため、シリコンバレーのような集積がかつてほど意味を持たなくなっている側面もある。

かつての「自由の国」は競争に明け暮れ、成長に伴い「自主規制」も出来上がり「そんなに野蛮な国」ではなくなっているのかもしれない。

そしてアジアの新興国はかつてのアメリカのように「獰猛に」国の政策共々、がむしゃらに経済成長を指向する。
トランプ氏がそこまで考えているとは思えないが、「移民の国アメリカ」が次の段階に進もうとしている、と考えれば納得できるシナリオだ。
「自由」だけを基本に全ての基準を運用してきたアメリカが、いよいよ「そこ」から手を引き始めるのかもしれない。
アメリカは「経済の成功モデル」から「成熟モデル」へと変わろうとしているのに違いない。
いつまでも「競争するならアメリカ」という感覚が変わってきていることを、この記事は指摘しているのではないだろうか。
 
超保守のガラパゴスと言われている我が日本は、さて次にどんな挙動になるのだろうか。
ここらあたりが考えどころ、ではないだろうか。
 
 
シリコンバレーにオフィス、時代遅れかも
2019年3月10日 21:30
今年に入ってからも、日本の様々な業種の企業からシリコンバレーに関する相談が届いている。
日本と米国でスタートアップを複数起業後、ミクシィアメリカの最高経営責任者(CEO)を経て、2013年にスクラムベンチャーズを創業。50社超の米国のスタートアップに投資。
「我々もそろそろイノベーションに取り組まないといけないと考え始めています。シリコンバレーにオフィスを置きたいのですが、ご相談に乗っていただけますか?」
全米ベンチャーキャピタル協会(NVCA)によると、昨年の米国におけるベンチャーキャピタル(VC)の投資額は約1300億ドル(約14兆円)と過去最高を更新した。2017年の830億ドルから飛躍的な増加だ。「ネットバブル」と言われた00年が1050億ドルだったことを考えると、いかに大きな数字かがお分かりいただけるであろう。
こうしたなかで大企業によるベンチャー投資、いわゆるCVCの存在感も一段と増している。
昨年は米国全体で668億ドルと、17年の365億ドルからほぼ倍増した。VC投資全体に占める割合は件数ベースでは16.1%とほぼ変化はないが、金額ベースでは50.9%と初めて半分を占めるまでになった。
テクノロジーの大きな変革にさらされている自動車や小売りなどの業界をはじめ、多くの大企業がスタートアップにイノベーションのきっかけを求めようとしていることが分かる。
しかし、「イノベーション=シリコンバレー」と単純に考えるのはいささか時機を逸している。
米国におけるVC投資額は引き続き増えている一方で、世界全体のVC投資額に占める割合は急速に低下している。スタートアップのデータベース会社、クランチベースによると、18年第2四半期での米国のシェアは35%にすぎず、それ以外の地域が65%となっている。1年前までは米国が50%以上のシェアを持っていたことを考えると、影響力が急速に失われていることが分かる。
CVCでも同様だ。米CBインサイツによると、世界全体のCVC投資のうち13年に64%だった米国のシェアは18年に41%まで低下している。一方でアジアのシェアが急増。13年の13%から18年に38%と北米に迫っている。
米国以上のユニコーン企業価値が10億ドル以上の未上場企業)を生んでいる中国は言うまでもないが、インドネシアやインドなど様々な国や地域で新しいイノベーションやスタートアップが生まれている。
GAFA(グーグル、アップル、フェイスブックアマゾン・ドット・コム)が生まれたときのようにソフトウエアやテクノロジー自体が競争力の源泉となりビジネスとなっていた時代とは異なり、今は我々の生活に関わる様々な既存産業を変革するイノベーションが勃興している。
資金も含めたあらゆるリソースがコモディティーとなり、エンジニアが1つのパソコンで起業できる時代となったため、シリコンバレーのような集積がかつてほど意味を持たなくなっている側面もある。
この流れは加速し、地域やビジネスの特性に合ったイノベーションが世界中からどんどん生まれるはずだ。これからイノベーションに取り組むにはプレーヤーがひしめくシリコンバレーではなく、足元のアジアなどそれ以外の地域に目を向けるのもいいかもしれない。
日経産業新聞 2019年3月7日付]