藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

老化という課題。

*[医療技術]テロメアは救世主か。
俗に「ピンピンコロリ」などと言いますが、結局「老い方」の選択肢のは何しに相違ない。
自分は、これからの自分の「死に方」を妙に他人に頼るべきではないと思う。
自分の「終末期、看取り、その後」については「自分で言い遺しておく」というケジメのつけ方がこれからの"大人の身だしなみ"ではないだろうか。
 
しかしながら。
サイエンスで老化を定義しようにも、まだまだ分かっていないことが多い。サーチュイン遺伝子エピジェネティクス、糖化最終生成物(AGE)、活性酸素など、関連する遺伝子や分子の存在は色々と指摘されているが、細胞レベルの話にすぎない。臓器や個体のレベルで我々が老化と認識している症状を引き起こしているメカニズムはいまだ不明である。
これほど進んでもまだ、本当の「老いとの戦い」はまるで終わっていない。
老化に深く関わると目される物質の一つに「テロメア」というものがある。
遺伝子を格納している染色体の末端に存在する構造で、染色体を保護していると考えられている。
細胞分裂のたびに短くなり、やがて染色体の不安定化や細胞の老化を招くと考えられている。
ノーベル生理学・医学賞を受賞したエリザベス・ブラックバーン博士は、テロメアが短くなることを抑えれば老化が防げると唱えている。
「ある種のタンパク質」の成長を阻害すれば、寿命はもっと伸びるらしい。
「PAI1」というたんぱく質を「持っていないこと」が長生きと関係しているとも判明しているという。
まだまだ最終決着は見えないが、それでも人の興味は「どんどん解決する方向」へと進んでいると思う。
 
そうした動きを応援しなければ、と思っている。
 
 
「老化防止」新市場生む
2019年4月14日 21:30
最近私も小さい文字を読むのが辛くなってきた。この原稿を執筆しているときもフォントのサイズは相当大きい。だが、年寄り呼ばわりされそうなので誰かに見られないようにひそかに書いている。
2000年エヌ・アイ・エフベンチャーズ(現・大和企業投資)に入社し、11年投資第一部副部長兼VC投資第四課長。14年5月、DCIパートナーズ社長就任。
頭では自分の身に起こることとわかっていても、どこかで信じていなかったこの老化現象。認知症、がん、脳梗塞心筋梗塞。これらの恐ろしい病気も、結局のところ老化の症状にすぎないという見方をする研究者も存在する。「生老病死」。人類に定められた苦悩の一角を占める老いとは一体何なのか。
 
サイエンスで老化を定義しようにも、まだまだ分かっていないことが多い。サーチュイン遺伝子エピジェネティクス、糖化最終生成物(AGE)、活性酸素など、関連する遺伝子や分子の存在は色々と指摘されているが、細胞レベルの話にすぎない。
 
臓器や個体のレベルで我々が老化と認識している症状を引き起こしているメカニズムはいまだ不明である。
 
老化に深く関わると目される物質の一つに「テロメア」というものがある。遺伝子を格納している染色体の末端に存在する構造で、染色体を保護していると考えられている。
 
細胞分裂のたびに短くなり、やがて染色体の不安定化や細胞の老化を招くと考えられている。ノーベル生理学・医学賞を受賞したエリザベス・ブラックバーン博士は、テロメアが短くなることを抑えれば老化が防げると唱えている。
 
ただ、単純にいじってしまっていいのだろうか。実はがん細胞は自らテロメアを修復し、無限の増殖能を獲得していることが知られている。
 
正しいいじり方が重要な気がするが、テロメアの保護が寿命を延ばしているとみられる例が近年発見された。
 
200年以上前に渡米したドイツ系移民の宗教集団で、アーミッシュというコミュニティーがある。電気や自動車を使わず、他の米国人とは交接しない。
 
コミュニティーの中に血が固まりにくい女の子がおり、不思議に思った医師が177人のアーミッシュの血液を調べた。その結果、43人が「PAI1」というたんぱく質を作る遺伝子を持っていないことがわかった。
だが、驚くべきなのは正常な遺伝子を持つアーミッシュの人たちに比べて、PAI1を持っていない人たちの寿命が10年近く有意に長かったのである。
 
テロメアが長く、糖尿病や肥
満といった老化に伴う病気にかかる人が少ないこともわかった。
 
アーミッシュの一部の人達は先天的にPAI1を持っていなかったが、後天的に医薬品でPAI1を阻害することは可能である。その医薬候補品の特許を有する企業が日本に存在する。東
 
北大学発のスタートアップ、レナサイエンス(東京・中央)である。
人間が設けた薬事制度のために「寿命を延ばす薬」を直接開発することはできないが、同社は老化に関わる疾患一つ一つに落とし込んで医薬品の開発を進めている。
人間では認められていないが、ペットに対してはその辺は曖昧だ。寿命を延ばせるドッグフードができるなら、明日から私の主食にしたい。
日経産業新聞 2019年4月11日付]