藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

デジタルの盲点

*[ウェブ進化論]マンガこそ。

日経より。

コロナによる外出自粛で漫画本の売り上げが増えているという。

マンガ本。

今や時代はデジタルだ。

所有していた膨大なマンガ本を下取りに出し、"持っておきたい重要な作品だけをデジタルで買いなおしてスペースを確保するスタイル"が定着しつつあるのだが。 

今なぜ「紙のマンガ」なのか…

と。

数ある電子書籍のサイトには「中古コーナー」などない。

デジタルコンテンツはほぼ全て新品扱いになっている。

「安く読む」ことを追求すればメルカリでマンガ本のセットを買う、と言うのがベストの選択肢になるわけだ。

リアルな紙の漫画の「ページをめくりながら読む」のも醍醐味だと思うが、適切な"中古市場の形成"があればもっと広まるのではないだろうか。

 

最終的には作家の判断になると思うが、「より売れた漫画は値下げして、さらに部数を伸ばす」とか「年数が相当経過していたり、またレア作品(ロングテール)」については適宜セールをして周知する、などしていけば今の読者のニーズを掬い取れるのではと思う。

漫画好きの友人と話していて話題になるのは「収納スペース」と「値段」のことだ。

デジタルは収納に勝るものの、費用を気にせず片っ端から買いまくるわけにもいかない。

日本の漫画文化はおそらく世界一のレベルだと思うが、ぜひさらなる普及を目指してデジタル化を進めてもらいたいと思う。

自宅が漫画喫茶のようになれば、自分はおそらく家から一歩も出ないだろう。

 

 

 

 
AKIRAで巣ごもり 中古マンガ、ネットで値上がり
新型コロナウイルスの感染拡大を抑えようと、外出する機会が減っている。在宅の時間が増えるなか、動画配信サイトや電子書籍で余暇を過ごしたり、フリーマーケットアプリで中古のマンガやDVDソフトを買ったりする人が増えてきた。とりわけ人気作品のセットや過去の名作の売買が活発で、取引価格の上昇が鮮明だ。家庭での過ごし方の変化を象徴している。

在宅の長期化で過ごし方に変化

ネット売買で中古のマンガの人気が上昇
「在宅勤務が長くなってくると、息抜きとして妻と共有したいコンテンツも変わってきた」。スタートアップ企業で働く36歳の男性は話す。3月に在宅勤務を始めたころはドラマや動画配信サイトでリフレッシュしてきた。最近の巣ごもりの友としてマイブームになっているのはマンガ。集英社の「ONE PIECE(ワンピース)」の全巻セットをフリマアプリ「メルカリ」で買った。
国内でも2月に新型コロナの感染が広がり始めた。同月24日には政府の専門家会議が「1~2週間が急拡大するかどうかの瀬戸際」との見解を示し、月末には安倍晋三首相が全国の小中高校の休校を要請した。このころから在宅勤務にシフトする動きが出始めた。4月7日には政府が東京都など7都府県に緊急事態宣言を出し、在宅勤務だけでなく夜間や休日の外出自粛が一段と強まった。
在宅時間が長くなると過ごし方も変わる。それを読み取れるのが、調査会社インテージによるクロスメディア接触調査「i-SSP」だ。1月20日~2月23日と2月24日~3月15日の2つの期間に分けて、テレビやパソコン、携帯電話端末を利用した時間やコンテンツなどを分析した。
携帯電話端末による有料定額配信の利用時間は、2月24日以降に平日で32%増、土日祝日で12%増だった。アプリを通じた「マンガ・雑誌・書籍」の利用時間も平日で7%、土日祝日で10%それぞれ増えたことが分かった。
生活の変化は実際の購買行動にも表れる。ブックオフグループホールディングスでは、DVD・ブルーレイソフトの「アニメ」や「キッズ・ファミリー」の売上高が1~3月に前年同期比2ケタ増。書籍では「少年・少女コミック」や「児童書」が3月に伸びており、学校休校の影響がうかがえる。
インターネットでの中古品売買サイト「ネットオフ」を運営するリネットジャパングループでは3月中旬から4月にかけ、書籍・コミックを中心に受注が前年同時期に比べ15~25%増加した。取引の拡大とともに販売単価も上昇。「コミックセットは10%程度上がっている」(同社)という。
ネットオークションも取引は活性化している。ネットオークション情報サイトを運営するオークファンによると、「コミック全巻」の落札総額は3月が9778万円と、前年同月に比べ48%増加。DVDソフトでは、キッズ・ファミリーが48%増、お笑いが37%増、日本のアニメが11%増などと高い伸びを示した。

AKIRA」「キングダム」の全巻セットに熱視線

平均落札単価の上昇が目立つのはコミック全巻だ。3月は3824円と前月に比べ7%高くなった。3000~3200円を中心に推移した19年のトレンドとは異なる動きだ。お笑いのDVDも3010円と、同11%上がっている。
オークファンの分析ツールを使い、値上がりしている作品を調べた。急騰しているのが1980年代に連載され、海外にもファンの多い大友克洋氏の「AKIRA」。3月の平均落札単価は8500円程度と、前月に比べ6割上がった。4月(前半)では1万円台に乗せている。
話題となっているのが、20年の東京五輪の延期や新型コロナの流行などを連想させる描写だ。「AKIRAの予言」としてSNS(交流サイト)でも投稿が相次いだことから、再び人気に火が付いたようだ。
単価が高いのは「キングダム」の全巻セット。4月上旬では2万5500円程度と、1月に比べ約5%高い。実写映画化された19年夏ごろの水準には及ばないが、取引量も多い。ワンピースはこの2年間で1万円台前半で安定している。購入者にとっては「人気作品の全巻ものは読み終わった後に売りやすい」という流動性の高さも、価格の支えになっているのかもしれない。
近年は動画配信サイトや携帯アプリなどのコンテンツが充実し、過去のドラマやアニメ、マンガなどを気軽に楽しめるようになった。一方で、こうした媒体ではなお見ることができない作品もある。中古のマンガやDVDの取引が活性化するのは、こうした事情も背景にありそうだ。
パソコンや携帯電話を家でずっと眺めていると、目が疲れてくることもある。そんなときに手に取りたくなるのが本やマンガだろう。ネット売買での中古マンガの値上がりは、長丁場となってきた在宅生活のなかで仕事と余暇のバランスをとろうとする消費者の姿を映しているようだ。
(商品部 三輪恭久)