藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

自我と人間

*[次の世代に]争いのもと。

よく人間関係で「争って恨みを残すな」というフレーズを聞くが、そもそも自分たちは、何に対して恨みを抱くのだろうか。

世界史を細かく考察するのではなく、ザーッと見渡してみれば「富の収奪」「民族間の争い(でもこれも富の取り合い)」「(民族や国同士の)支配欲」「宗教的な争い」などに尽きるような気がする。

それにしても。

よくもまあこれまでの間、(いや今でも)人と人は諍うものだと唖然とする。

そして殺し合いまではしないけれど、先進国でも「争い」は日常茶飯事だ。

むしろ「競争はいいことだ」とも言われている。

競争が成長を促す、と。

それはともかく。

 

思ってみると、例えば「何かを失ったとか得た」とか、そういった"損得勘定"が自分たちの感情に直接働きかけているようだ。

信頼していた人に裏切られた、とか愛していたのに、とかいうのも自分が相手に寄せていたエネルギーと、相手からの期待値が大きくずれていることから起きている感情だろう。

「自分が与えたから、必ずリターンがあるはず」というごく自然な期待が、いつしか「裏切られた!」と恨みを残す。

 

それくらい、自分たちは「自意識とか自我がよほど強い生き物」なのだということをまず頭に叩き込む必要があると思う。

今日もほら、オフィスや居酒屋で怒っている人のことを他人事で捉えてはいけない。

 

「自分の期待値と、相手のリターンは全く連動しないこともある」というのが現実の世の中なのだ、ということを起点にしておくべきだと思う。