藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

想定する力(1)

*[ウェブ進化論]「事前」の力。
よく仕事のことや人間関係などで、「それは聞いていない!」と仏頂面をしている人がいる。
何をそんなに威張っているのよ、と言ってやりたいがご本人は大層御冠(おかんむり)である。

現実に起こっている事は一つだが、自分たちは「それをあらかじめ予想できていたかどうか」ということにとてもこだわる性質がある。

だから「私は聞いていない!」「俺は知らない!」と大いばりで宣う人が後を絶たない。

よく精神の疾患で「予定外のことが起きるとパニックになる」という例を聞くが、疾患でなくとも自分たちは「予想外の出来事」に弱いらしい。

普段、自分たちは街中で生活していると「突然の出来事」に出会うことは少ない。

せいぜい小さな地震とか突然の大雨とかぐらいのものだ。

ジャングルをゆく獣のように、「いつ何時命の危険が襲ってくるかも」というような日常はないのだ。

現代の自分たちはそれほど「安全と安定の中」に生きているうちに、例外に対応する力をどんどん失っているのだと思う。

この度のコロナ騒ぎでも「国とか国同士とか、国や会社や家族のリーダーとか、そして自分たち個人も」がそれこそ根こそぎオロオロしてしまったのはつい先日のことだ。

「経済が大事か命が大事か、いや経済がなくなれば命だってなくなる」そんな議論が真剣にされていた。

「経済がなくなれば生きていけないレベル」の世界に自分たちは踏み込んでしまっていることに気づいた人も多いだろう。

 

安定して、しかも分業して安全な社会は一旦"大きな想定外"に襲われるとガタガタになってしまった。

(つづく)