藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

目いっぱい、に向かって。

昨年末には「来年は日経平均26000円!」と酒場で予言していた友人と新年会。
旧友が四人集まって「まさかこんな感じの50代を迎えるなんてなぁ」という話。

誰もが非常に落胆しているわけでもなく、しかし満足もしていない不思議な空気だった。
銀行に勤める一人は「もうすぐ子会社へ出向になる」。
証券系の一人は「もうすぐ他社に吸収されるかも」。
商社の一人は「オレはこれから東南アジアか中東へ駐在だろう」。
それほど、社会出て「どんなことをするのか」というイメージ力は乏しく、また知識も殆どなく、勢いで飛び込んだということだ。

もう一度やるとしたらどんな職業が?という問いかけにはそれぞれが「エンジニア」「医者」「教師」と答え、その後になぜか苦笑い。
違う職業に就いたとて、また今と同じ気分になるだろうことを、皆が察していたのだった。
自分の今の仕事に対して、それなりの遣り甲斐も意義もある。けれどちょっと完全燃焼には物足りないのだ。çå
あと十年はもっかい(もう一回)頑張ろうや、と互いに励ましつつのお開きになった次第。
四十代とは明らかに違う空気の自分たちなのでした。

大胆な予想ではない! 2016年は日経平均4000円上昇 為替130円
THE PAGE 1月8日(金)7時0分配信

 2016年は申(さる)年です。相場の格言に「申酉(さるとり)騒ぐ」とあります。4日の大発会日経平均株価終値が、前年末より582円安。さらには中東情勢の緊迫化、北朝鮮の水爆実験報道を受け、早くも波乱の兆しをみせています。それでも市場関係者のあいだでは、騒ぎ暴れる申の相場に大いに期待を寄せているようです。

さて、16年の株・為替の動きはどうなるのでしょう? これから国内外のどのようなイベントなどに着目して、相場を読んでいけばいいのかを第一生命経済研究所・主任エコノミスト 藤代宏一さんが、わかりやすく解説していきます。

大胆な予想ではない! 2016年は日経平均4000円上昇 為替130円
2016年の株・為替はどう動くのか?

2016年はズバリ、日経平均は4,000円上昇 為替は130円と10円安に
 第一弾として、2016年の株価・為替予想をご案内したいと思います。結論を先取りすると、筆者は、日経平均が2万3,000円まで上値を伸ばし、USD/JPYは130円まで円安が進行すると予想しています。昨年末の日経平均が1万9,033円、USD/JPYが120円近傍だったので、日経平均は4,000円上昇、USD/JPYは10円も円安が進むとの予想です。

一見すると、大胆な予想に感じられるかもしれません。しかしながら、15年に日経平均が2万900円、USD/JPYが125円を超える場面があったことを思い出してください。そこを起点にすると、日経平均は約10%、USD/JPYは約4%の上昇に過ぎず、けっして大胆な予想ではないことがわかります。

もうひとつ別の視点から補完しておきましょう。今次サイクルの円安・株高は12年11月がスタート地点でした。それ以前の日経平均は8,000円台前半、USD/JPYは75円台で推移していましたので、15年までに日経平均は約250%の上昇、USD/JPYは約60%も円安が進行したことになります。16年に10%の株高・4%の円安が進むとの予想は、こうしたトレンドが続くという基本感に基づいています。

株価動向はEPSと株主還元策をチェック!
 この予想の根拠を少し詳しめに解説します。

先ずは日経平均。株価を決定する要素はじつにさまざまですが、基本的には企業業績が重要となります。ただ、一口に業績といっても、そのパフォーマンスを測るための尺度・指標は数多く存在します。

そこで、株価を予想するうえで投資家が最も重視している、あるいはそうすべきなのは、一株あたり利益(EPS)です。一株あたり利益は分子が純利益、分母が発行済み株式数なので、それを増加させるには、少ない資本で大きな利益をあげることが求められます。

そのEPSは12カ月先の予想で10%程度の成長トレンドを見込んでおり、それは10%程度の株価上昇を正当化する有力な根拠になります。これが2万3,000円までの株価上昇を見込む理由の一つで、また市場参加者の株価予想が2万2,000-2万3,000円に集中しているのは、おそらくこのためでしょう。決算発表が集中する1月下旬〜2月上中旬、4月下旬〜5月上中旬は、企業業績に対する期待が高まると予想されます。

そして、もう一つ投資家の期待を高める要因として注目されるのは、企業が打ち出す株主還元策です。増配・自社株買いが予想以上の進捗となれば、資本効率が高まることが期待され、株価の押し上げにつながるでしょう。2万3,000円を上回るか下回るかは、企業の株主還元策が重要な鍵を握ります。

次ページは:FRBさらなる利上げは2〜3回 まずは3月公表のドットチャートを注視
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THE PAGE 1月8日(金)7時0分配信

FRBさらなる利上げは2〜3回 まずは3月公表のドットチャートを注視
 次にUSD/JPY。USD/JPYの予想にあたって注視すべきは日米の金融政策の方向性です。

まずは米国。米連邦準備理事会(FRB)は15年12月におよそ10年ぶりの利上げを決断しました。これはドル高政策です。利上げは16年も継続する見込みで、FRBは16年に4回の利上げ(各回0.25%で合計1%)をすると自らの行動を予想しています。この予想はドットチャートと呼ばれ、公表は3カ月に一度。非常に注目度が高いので為替のみならず、株式、債券不動産投資信託REIT)などあらゆるものにインパクトを与えます。直近は15年12月、次回は16年3月に公表予定です。

一方、市場参加者が予想するFRBの利上げ回数はせいぜい2回か3回です。これは、市場参加者の方が(FRBよりも)米国経済を慎重に見ているということの表れです。

このように両者のシナリオには隔たりがあるわけですが、これがいつどのような形で収れんするかが、重要なポイントになります。ちなみに筆者はFRBと同じ4回の利上げを見込んでおり、市場参加者の平均的な見方よりも利上げに前向き、すなわち米国経済を強気にみています。これがUSD/JPYが130円まで上昇すると予想している理由の一つです。

今年最初のヤマ場は追加利上げが決定されるであろう3月です。また、そこではFRBが年4回の利上げ予想を維持することが見込まれます。筆者は2回、3回の利上げを予想している市場参加者のシナリオが修正を迫られ、ドル買い圧力が高まる展開を想定しています。

日銀4月に追加緩和? 日銀よりも注目すべきはFRBの動向
 一方、日銀は量的・質的金融緩和(QQE)を継続しており、これは円安政策です。日米両中銀がドル高・円安政策を採用しているので、USD/JPYが上昇するのは自然な流れといえるでしょう。筆者は、日銀が16年4月に黒田総裁の下で、最後の追加緩和に踏み切ると予想しており、仮にそうなれば筆者の予想以上に円安が進む可能性も考えられます。

ただ、USD/JPYを予想するにあたって避けるべきことは、日銀の金融政策を中心に考えることです。USD/JPYの大きなトレンドを作り出すのはFRB、日銀はその勢いを調整する程度と考えておくのが良いでしょう。日銀が追加緩和をしなくとも、FRBが4回の利上げペースを崩さなければ、USD/JPYが130円に到達する可能性があります。

次回以降、中央銀行の行動、ひいてはマーケットに影響を与える経済指標等について解説していきたいと思います。

第一生命経済研究所・主任エコノミスト 藤代宏一)


※本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。

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最終更新:1月9日(土)13時18分