藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

これからの時代に。 


米議会に救済を求めたビッグスリーの長が突き上げられている。


34億円の自家用機で上京し、「タキシードを纏って無料食堂に来るな」と。


是非もない。
というか良くも悪くもこれがアメリカか。


彼らは「経営」というものが何か「ビジネス」という枠だけで完結するのだ、と考えているフシがある。
建前的には正しい。
というかスマートでかっこいい。
そりゃその方が。


家庭を大事にして残業や休日出勤などせず。
自分の報酬は「別腹」だとも思っているようだ。
経営者の報酬の多寡については、純粋に「業績」に応じて取ればよいのだろうが「夢のような」報酬額が成功のシンボルとして浸透し、ひいては今日のビッグスリー事件みたいなのを引き起こす。


一方、日本では「集金回りに高級車で来る社長はいない」という文化がある。
実は、自分もこのクチで、ある社長さんにこっぴどくやられたことがある。

「フジノさん、あんたね。ベンチャーだか何だか知らないが、仕事もらいに来るのに自家用車と携帯電話で「遅れますから」ってどうかしてない?商売ってそんなもんじゃないよ。出直しといで。」

そして。

「あ、あとな。「まだ若輩なもんで」とか言ってんじゃないよ。ウソでも会社の代表で来てんだろ?決断できないんだったら俺んとこには来るなよな。アナタと話してても意味ないじゃん。」とも。

その時はキツかったし、「なんだよ、言いたい放題」と腹立たしくもあったのだが、よくもこんな苦言をくれたものだ、と今も関心。
先輩とは有り難いものだ。
憎まれ役を承知で若造を一喝。


あの時の若造は(今はいい年になったけど)あの時の先輩を思い出して、若いヤツには小言しています。


日本の文化、恥の文化とか、腹芸とか色々言われるが。
また成功を自慢するのは悪だとか。


少し「陰」なクラい感じもあるけれど。

奥ゆかしさ、とか品、とかいうものは一朝一夕に培われぬし、うまく継承してゆくことは自分たちの「人間的な深み」を筯すことにきっとつながる。

 
重箱の隅をつつく、という意図ではなく自家用機を処分できぬトップは「精神構造」に甘えを持っていると思う。
アメリカという国の「自由の魅力」はそんな「品」をまとってこそすばらしく見える。


今回の金融危機も同じ。
また会計のルールを変えて、銀行を規制してあとは「ほっかむり」するか。
「取ったもん勝ち」が見え見えでは、他国がついて来ぬ。


世界に通じる仕事の流儀、をぜひ見せてもらいたい。
やはり自由は魅力なのだから。





【記事全文 産経webより】

救済求めるビッグ3の首脳、自家用機で議会に乗りつけ非難の嵐 (1/2ページ)


経営危機に陥り、公的資金による救済を米議会の公聴会で訴えたビッグスリー(米自動車3大メーカー)のトップ3人が、プライベート・ジェット機で首都ワシントンに乗り付けていたことが19日分かり、議会でやり玉にあがった。


ゼネラル・モーターズ(GM)のワゴナー会長、フォード・モーターのムラーリ最高経営責任者(CEO)、クライスラーのナルデリ会長の3人は18日、会社の自家用ジェット機でワシントン入りし、上院公聴会に出席。


破綻(はたん)は米国経済に「破壊的な影響」を及ぼすとして、250億ドルの緊急融資を求めた。


しかし、翌19日の下院金融サービス委員会の公聴会で、アカマン下院議員(民主)は「タキシード姿の気取った人間が無料食堂に現れるようなもので、少しばかり釈然としない」と指摘、旅客機のファーストクラスに格下げしてはどうかと持ちかけたが、3トップは無言だった。