靴メーカのアキレスが発売する「瞬足」と言う靴が大ヒットしているという。
なんとジュニアスポーツシューズの市場1200万足、の中にあって年間540万足を販売しているというお化け商品である。
その特徴はズバリ「左回り対応」。
必ず左回りになるトラックのカーブで踏ん張って走れる特注シューズということらしい。
開発者(の津端氏)は、子供のライフスタイルを研究し、その学生生活の中での重要なイベントの「運動会」に着目し、「そこで活躍できる製品を」というのが思いだったという。
瞬足、は左右非対称ソールを持った「対運動会トラック競技」むけシューズなのだ。
晴れの運動会の日に、安定したトラック走行ができるように。
いい成績が残せるように。
そんな子供たちの思いを推し量った結果うまれた「大ヒット」ということらしい。
小学生の「(運動会での)感動体験」を何とか製品に反映しよう、というその着眼点にはいまさらながら感心させられた。
色やデザイン、値段など製造側が思いつきやすい理屈ではなく、
ユーザーの本来「こうありたい」という気持ちの「ソフトウェア」に気付いたことが画期的な製品の開発につながったようだ。
いつも自分がしている仕事とか、いつも当たり前に思っていることは『実は当たり前ではないかもしれぬ』ということにつくづく思い至った次第。
「もうこれ以上は無理」とか「これがベストだろう」と思った途端から陳腐化は始まっていて。
いやいや、「だからさらに考えてみよう」という姿勢はいーっつも「またかよ」というくらい当たり前のようでいて、最高の戦術なのだと改め思う。