1日、ゆうパックが日通のペリカン便を吸収。
1日から3日にかけて大規模な配達の遅れが出た。という。
原因は、
荷物量がこれまでの1日当たり約60万個から、約107万個に増えた。
店舗も約7万4千店から約13万4千店に膨らみ、事務量が増えた。
ということである。
銀行のシステムとか、とかく大規模な組織が統合しようととすると、なかなか予測できないミスが出る。
IT業界ではよく「システム全体を理解するひとが一人もいない」という表現をするが、さもありなん。
さらには「業務全体」を理解する人もいないのである。
システム統合は、何も問題がなく「滞りなく」運んでようやく「少しだけ」評価される。
何かが起これば、担当役員の責任問題である。
対応に見る「根性」の違い
日本郵便幹部は3日夜、朝日新聞の取材に対し、「1日2日の遅れはよくある。今回は数が多いが、1日ぐらい遅れても大丈夫と思った。甘いのかもしれないが、土日できれいにすればほとんど影響ない、と思っていた」と話した。
業界の他方の雄、ヤマト運輸の経営者は、自社の送り状に印刷された
「年末年始には期日通りに届かないことがあります」
という一文を見て、即座に「エクスキューズするな」と削除させたという。
重要なのはこの姿勢だろう。
人為ミスは避けられない。
これからも色んなところで、色んなミスは起きるだろう。
重要なのは「それ」への対処の態度である。
「運送のプロ」である宅配便が、その日実管理を「よくあること」と発言しては、組織全体がユルむ。
というか、荷物を安全に、期日通りに、廉価に運ぶ、ということに対して従業員が誇りを持てないではないか。
また同社は「全容を把握していない、として発表していない」という。
これもさらに男を下げた。
まずやるべきは、「経営幹部が出てきて、謝罪し、陣頭指揮を執る」ということだろう。
何事もプロ根性がなくてはならない。
ゆうパック大規模遅配、「全容を把握できない」公表せず
郵便事業会社(JP日本郵便)の宅配便「ゆうパック」で、1日から3日にかけて大規模な配達の遅れが出た。
日本通運の「ペリカン便」を1日に吸収して取扱量が増えたことなどから、首都圏経由の荷物を中心に配送が滞った。
遅配がしばらく続く可能性もあるが、日本郵便は「遅れの全体像を把握できない」として、3日夜の段階でも遅配の事実などを公表していない。ゆうパックの荷物は、郵便局など地域の窓口で預かったあと、都道府県ごとの拠点支店に集める。
それぞれ届け先近くの拠点支店に送ってから、さらに仕分けて、配送を受け持つ地域の郵便局などに送られる。
日本郵便によると、新東京支店(東京都江東区)や東京多摩支店(東京都府中市)、大阪南港ターミナル支店(大阪市住之江区)といった拠点支店で作業に遅れが出た。このため、地方から首都圏、関西圏向けに配送されるなどした荷物の多くが、生ものも含めて指定された期日に届かない状態になっている。
日本郵便では、ペリカン便の吸収で荷物量がこれまでの1日当たり約60万個から、約107万個に増えた。
店舗も約7万4千店から約13万4千店に膨らみ、事務量が増えた。
最大拠点の新東京支店では、これまで1日平均で約16万個を扱っていたが、25万個に増える計算だったという。7月はお中元の集配で忙しく、11日の参院選の投開票を前に選挙関連の荷物の取り扱いも増えたことも作業量の急増につながったとみられる。
ゆうパックとペリカン便の集配のシステムを併存させる形でスタートしたことも混乱に輪をかけた。
一方のシステムに習熟した従業員が、他方の仕分けの作業手順を間違えることもあり、こうしたミスの重なりが大規模な遅配を招いた可能性もある。
日本郵便は「訓練はしてきたが、大量の荷物を前に慌てた」(広報)。必要に応じ、利用者への賠償も今後検討するという。日本郵便は1日夜から、急きょ応援職員を出勤させるなどしている。
「週明けまでに遅配を解消したい」という。
だが、遅配の全容が把握できていないことを理由に、3日深夜の時点でも、遅れの事実やその規模を公表していない。
ホームページなどでも一切触れられていない。日本郵便幹部は3日夜、朝日新聞の取材に対し、「1日2日の遅れはよくある。今回は数が多いが、1日ぐらい遅れても大丈夫と思った。
甘いのかもしれないが、土日できれいにすればほとんど影響ない、と思っていた」と話した。