藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

底なし沼。

フクシマのアユ漁が解禁を目前にして"セシウム続々"。
解禁のめどは立っていないという。

今回の原発事故で、一体総量でどれほどの放射性物質が「外部へ飛散」し、それがどのような分布になるのか、というのは今のスーパーコンピューターでも計算できないだろう。
それはとりもなおさず「事故の詳細」が未だにはっきり分からないから、シミュレートできないからである。

原発に限らず、初動のミスというのはつくづく「その後」に傷跡を広げるものである。

責任の範囲

そして、「原発を作った側」にはまだまだ出口の見えない責任が広がり続ける。
もう世界に拡散してしまった状態を計算できない、ということはその責任の範囲も、限りなく曖昧になる。
そもそも世界中の定点でセシウム量を計測し、日によって「高いか低いか」を記録しても、時がたつにつれ「それが福島原発からのものかどうか」は段々分からなくなるだろう。


そして今、「風評被害も全額賠償する」としている政府の方針は、一体どのような基準で貫かれるのだろうか。
災害の現場や避難所で、「日本人の協調性」が美談と取り上げられる中、一方では空き家の現地をめぐる窃盗団が跋扈していたという。


陰と陽。
ダークサイドで物を見る人は、必ず存在するものである。
「賠償の基準と実施の仕組み」を早く決める努力をせねば、年金問題のように収拾不能の事態に陥り、またもや議論が拡散して「責任者不在」となり、税金で消すしかないという最悪の事態が見える。
そこにはあまたの訴訟が起こり、救済されぬ被害者も放置され、またもやそこでも被害に遭った人たちは「国の無策をただ呪うしかなくなる」だろう。


今ほど「道しるべの重要性」が増している時はないのである。

福島のアユ漁解禁延期へ 淡水魚から基準超セシウム続々
東京電力福島第一原発の事故で、福島県内の淡水魚から基準を超える放射性セシウムの検出が相次ぎ、農林水産省と同県は検出された流域で、近く迫ったアユ漁解禁を延期する検討を始めた。セシウムは湖や川に堆積(たいせき)し、淡水魚は海水魚より吸収しやすいとされる。アユ釣りは人気レジャーで、観光に大きな打撃となりそうだ。

 福島県では例年なら、6月初旬から各地で順次、アユ漁が解禁される。農水省と県は5月、淡水魚の検査を開始。いわき市の鮫(さめ)川と夏井川のアユや北塩原村の檜原(ひばら)湖のワカサギ、同村の秋元湖と伊達市阿武隈川のヤマメ、福島市の摺上(すりかみ)川のウグイで基準(1キログラムあたり500ベクレル)を超える同620〜990ベクレルのセシウムが検出された。

 水産庁によると、淡水魚は海水魚に比べて体内にナトリウムをため込みやすく、ナトリウムに似た性質を持つセシウム海水魚より検出されやすいという。