藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

エネルギーの真実。


昨日に続き。
孫さんの太陽光参入に、グロービスの堀代表がモノ申している。
しかし、与党と野党の応酬に比べて"格段に爽やか"なのは、議論が透明に見えるからだろう。
原発代替エネルギー」のどちらが是か非か、と言う話など、どのみち単純に白黒がつく問題ではない。
その検討のプロセスこそが、その国の経験であり、叡智であるだろう。

両者の議論の口火を切ったのがtwitterだというのが、いかにもネット社会らしい。
そして話の確信はやはり「立法」にあった。

再生エネルギー特措法案は、企業や家庭が太陽光や風力などの再生可能エネルギーで発電した電気の全量を、電力会社に買い取らせるというもの。
発電設備の導入には国などから補助金が出されるほか、買い取りにかかる費用は電気料金への上乗せが前提で、国民負担によって新規参入者がもうかるだけとの指摘もある。

そして、問題はまた"根本"へと帰る。
自分は正しい帰結だと思う。

堀氏は太陽光発電は夜間に発電できないことやコストの問題などから「10年以内に20〜30%の電力を安定的に供給できる可能性はゼロに近い」と指摘。孫氏発言の一番の問題点について「脱原発を訴えることで、太陽光発電原発の代替手段になるかのような幻想を抱かせていることだ」と断じる。その結果、「原発の再稼働を遅らせ、日本経済に壊滅的な打撃を与えることになる」と懸念する。

原発の是非、はこれからの「エネルギーに対する国家の意向」によってどうにでも変わる。

"あるテーマで実りのある議論"をするためには、その前提をきちんと整理し、議論双方が互いに共有した「強固な土台」で行う必要がある。

今の政策論争や、立法論はその「土台」がユルすぎる。
いくら党首討論とか、誌上討論、などをしても「実はこの前提で」とかいう"前提の覆し"とか、「方法論としては」という枕詞で「実は根本論の検討はしていないけれど」という、"それでは土台が成り立たないじゃないか"というような議論を繰り返しているのが、今の政治や政策もメディアの論点だと思う。
日々「為替相場はいかに」を予想しているシンクタンクのアナリストは、果たして「前提」のことを本当に考慮せずに毎日のTVニュースの中でコメントしているのか? とまったく不思議で仕方ない。
浮世とはそういうものだろうか。

ともかく、今回の「再生エネルギー特別措置法案」を始め、これまではほぼ「国民の最終意思の反映なし」で進められていた事柄が、ネット上で明るみに出るのは一つの進化かもしれない。
ぜひエネルギーの今後を通して、「本当に政治に関心の出る世論」が生まれてくれば、ネットもたらしたの大きな収穫だろうと思う。


自分たちは「ここ」で考えるべきで、スルーすべきではない。

「孫氏は政商、マイナスに日本導く」 ソフトバンク太陽光発電事業参入を批判 旧知の起業家・堀義人氏 ツイッターで応酬、来月公開討論
菅直人首相が意欲を見せる再生エネルギー特別措置法の成立を当て込み、太陽光発電事業への新規参入を目指すソフトバンク社長の孫正義氏(53)。「脱原発」を掲げ、事業化へと邁進(まいしん)するカリスマ経営者に対し、インターネット上で猛然と批判する起業家がいる。国内最大規模のビジネススクールを経営する堀義人氏(49)だ。堀氏は孫氏を「政商」と呼び強く非難。孫氏も堀氏を「原発推進論者ですか」と応酬。旧知の2人は8月5日に1対1の公開討論を行う。


■尊敬から一転
《(孫氏は)「政商」の様に振る舞い、自分が都合が良い方向、日本にとってマイナスな方向に導いている…》《(孫氏が脱原発を叫ぶのは)政商となり補助金を得て儲けたい…》

堀氏が4月以降、短文投稿サイトのツイッターに、孫氏を批判する書き込みを繰り返していたところ、7月に入り、孫氏もツイッターで“反撃”した。

《堀義人さんは、結局の所、原発推進論者ですか。一度トコトン議論しますか?》

堀氏は平成4年、社会人向けのビジネススクールを経営する「グロービス」を設立。現在はベンチャー企業などに投資する400億円のファンドの責任者でもある。自社の教材を執筆する際、自ら孫氏を2度「取材」したこともある間柄。「起業家の先輩として力量を高く評価し敬意を表していた」と語るほどだった。


堀氏は批判に転じた理由について、「100万人以上のフォロワー(ツイッターの登録読者)がいる孫さんの発言は影響力が大きく、方向性が間違っていると国民全体に多大な損害を与えるから」と語る。

再生エネルギー特措法案は、企業や家庭が太陽光や風力などの再生可能エネルギーで発電した電気の全量を、電力会社に買い取らせるというもの。発電設備の導入には国などから補助金が出されるほか、買い取りにかかる費用は電気料金への上乗せが前提で、国民負担によって新規参入者がもうかるだけとの指摘もある。

孫氏は5月14日、菅首相と会食し再生可能エネルギーの普及で意気投合。同月25日にはソフトバンク太陽光発電事業に1千億円規模を投資すると表明した。


■韓国に避難?


堀氏は太陽光発電は夜間に発電できないことやコストの問題などから「10年以内に20〜30%の電力を安定的に供給できる可能性はゼロに近い」と指摘。孫氏発言の一番の問題点について「脱原発を訴えることで、太陽光発電原発の代替手段になるかのような幻想を抱かせていることだ」と断じる。その結果、「原発の再稼働を遅らせ、日本経済に壊滅的な打撃を与えることになる」と懸念する。

堀氏はソフトバンクが9月に国内での大規模災害に備え、韓国にデータセンターの運営会社を設立することについても矛先を向ける。「脱原発が進むと、日本から安定的な電力が奪われ、電気料金も上がる。だがソフトバンクは、原子力でまかなわれた電気料金の安い韓国で難を逃れられる。非常に矛盾している」


■ビジネスだけ?


堀氏は孫氏が目指す太陽光発電事業について、「代替エネルギーを増やすこと自体には賛成だ」としながらも、(1)補助金を受けないこと(2)電力の買い取り価格が適正であること−の2つの条件を挙げる。その上で「孫氏は菅首相に近づき、自治体首長らとも連携するなど政治力を使い、補助金や買い取り価格などの面で自分のビジネスを有利に持っていこうとしている。まさに政商だ」と批判する。

実際、孫氏は買い取り価格について「世界的な相場観なら採算が成り立つ。政府の決め方次第だが、日本だけが異常に低いとなると実験レベルで終わってしまう」と発言している。

堀氏の主張に対し、孫氏はどう反論するのか。公開討論の時間や場所などは近く、両氏のツイッターで発表される見通しだ。



【用語解説】再生エネルギー特別措置法案

電力会社に太陽光や風力など再生可能エネルギーで発電した電気の全量買い取りを義務づける制度が柱。電力会社は経済産業相が定める一定の期間と固定価格で買い取るが、買い取りにかかった費用はすべての利用者の電気料金に転嫁される。法案は民主党政権地球温暖化対策の一環として東日本大震災前に策定。3月11日に閣議決定、7月14日に審議入りした。