藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

潮の変わり目。

2010年。
日本の人口が昨年の調査でついに"初減少"を記録。
これは大きな潮流の変わり目である。
15才未満の子供は13%、そして65以上の割合は23%を超えた。
それぞれ「世界最低と最高を超えた」ということである。


一人暮らし世帯は3割を突破。

震災の影響を考慮せずとも、労働力人口はこの五年で300万人減少しているという。

正に類を見ない"変態"の最中と言っていいだろう。
人口は1億2569万人。
これが日本の「最多だった」といこうとになるだろう。

かつて(1955年)、11.5人で一人の高齢者を支える図式、が
今や2.8人で一人を支えている。

さらに、本波はこれから。
団塊世代が4年先には65歳に達し、GDPの25%が社会保障費になるという。
もう"社会保障が目的の国"とも言えそうである。
今の若い世代からは「誰がそんな国に住むものか」という声が聞こえてきそうだ。

もっとも「世界最速」でこの老齢化社会に突入するのは、穿って見れば日本の特権である。
日本の"和の文化"という必殺技を駆使しながら、「次世代高齢化モデル」を打ち立てれば、ここ数百年の国際社会から見た日本観は激変するのではないだろうか。


何となく、そういう"土俵際での粘り"の特質は自分たちにはありそうな気がするのである。
しかしこれほど増える「一人暮らし世帯」をどうまとめていくか、というのは喫緊のテーマだろうと思う。

(3)日本人の人口が初減少、65歳以上23% 10年国勢調査
総務省は29日、2010年国勢調査の抽出速報集計結果を公表した。65歳以上の高齢者人口の割合は23.1%で、15歳未満の子ども人口の割合は13.2%。それぞれ前回05年に続いて世界最高と世界最低を更新し、日本の少子高齢化が鮮明となった。一人暮らし世帯の急増により全世帯に占める割合は初めて3割を超えた。労働力人口は5年で300万人減少。現役世代頼みの社会保障制度の改革が急務になっている。

「改革を進めないと、10年代後半には財政破綻してしまう」「こんな経済状況で増税などできない」。29日、民主党調査会は堂々巡りとなった。少子高齢化に対応する社会保障制度の改革は、1989年に合計特殊出生率が丙午(ひのえうま)の66年水準を下回った「1.57ショック」以来の課題。だが、20年余り、政府は景気や選挙を理由に、年金・医療の給付削減、増税を伴う答えを先送りしてきた。

10年の国勢調査によれば、総人口から外国人を除いた日本人の人口は前回調査より3万8千人少ない1億2569万2千人と統計のある75年以降で初めて減少。労働力人口は6240万人と前回調査比300万人減。茨城県の人口(296万人)に匹敵する規模で減少した。

高度成長初期の55年、日本の高齢者は500万人弱で、現役世代(15〜64歳)11.5人で1人を支えればよかった。半世紀が過ぎた今、現役世代は2.8人で1人の高齢者を支えねばならない。現役世代に過度に依存する現行制度を維持するのは限界を迎えている。

15年には団塊世代が65歳に達し、世代間の不均衡はさらに広がる。11年度の社会保障費は国内総生産(GDP)比22%の108兆円に、25年度には同25%の151兆円に拡大する見込みだ。

今回調査では一人暮らし世帯が「夫婦と子ども」を初めて上回ったのも特徴。65歳以上の男性の10人に1人、女性の5人に1人が一人暮らしといい、介護や孤立といった問題も広がっている。社会保障の負担と給付の抜本改革が待ったなしの現実から目をそらすことはできない。