藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

生で触れるということ。

日曜日、午後四時からインターFMで放送されている"Jazz conversation"をご存じだろうか。
ぜひ一度お聴きいただきたい。
自分も今年にFM放送を日常的に聴くようになってから知った番組だが、ともかく内容がイイ。
ホスト&DJは小川隆夫さん
小川さんは現役の整形外科医でもあるが、ニューヨーク留学時代のJazz経験が番組になっている。

一度でも番組を聴けば分かるが、その親しみがあり、けれどいつまでも耳に残る語り口は、生で聴いてもまったく健在だった。
これまでも人に会うごとに番組を薦めて来て、とても好評だったけれど。
ご本人にお会いして、改めてその魅力を再認識した。

ナット・キング・コール vs フランク・シナトラ

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両者の生い立ちから、デビュー、その後の隆盛から没するまで。
そういったストーリーを数十曲のCDと共に紡ぐ小川さん。
曲を聴衆と一緒に聴いている間も、また楽しそうに、また回想するようにニューヨークの思い出と共にアーティストの解説をする様子は、お店の中の二十数人をまったく一つの世界に包みこんで、でも豊富な知識を講義する大学の名講義のような雰囲気だった。
大学では落研にいたという小川さんだが、どんな話やプレゼンテーションをするときにも"まずは人間性"なのだということを強く認識させられた。

小川さんのナット・キング・コール評。
「彼を一言でいえば"誠実"な歌い方をする人。『生真面目』でもない、やはり"誠実"なんですねぇ」
その誠実、という言葉が耳に残る。
そして、結局この日の「小川隆夫の音楽ゼミナール」自体がそういう空気で包まれていることに気づく。

気取らず、構えず、しかし"誠実"。

たった二時間半の逢瀬だったが、イベント開始前の受付の時間も、番組の始まりも、休憩時間やサイン会の間も、そして終了してからの生徒たちやお店のスタッフとの会話も。
そして何よりアメリカのミュージシャンたちとの思い出を話す小川さんは、「気取らず誠実」を地で行く人であった。

BOSEのラジカセを引っ提げて、解説を挟みながら淡々と巨匠の足跡をたどる。
合間合間に披歴されるエピソードは、とても華やかで書ききれるものではない。
二十数曲、二時間半が"アッ"という間に過ぎ去った。
Jazzがどうこう、というよりも"いい先輩に出会えた"という印象の強い一日だった。

皆さん、日曜の夕方にはぜひインターFMを聴きましょう。