藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

新しい形へ

日本は、先進国に先駆けて、50年後には「5・4・1」の比になるらしい。

5が現役の人数。
4は高齢者の人数。
1は子供の数。

長生きする人が増え、それはある意味"幸せの形"でもあると思うがどうだろうか。
どうも最近は「負担が増える」「税金では賄えない」とする論ばかりが目立つが、自分たちの親世代のこと。
もう少し前向きに考えるためにも、はっきりすべきことは今検討しておかねばならないと思う。
年金の「世代間扶養」は根本的に問題をはらんでいるが、この制度についても今後の見通しを出し、その後は「先輩世代を喜んで支えるべき」な制度の構築と世論の形成をして行かないと、いつまで経っても"これからの若者"はどこか被害者意識しかない、覇気のないものになってしまうのではないかと心配である。

国家のお題目から「年長者を敬い、弱者を守る」という気骨が抜けてしまっては、日本文化は崩壊するであろう。
そういうの、は日本人には向かないと思うのだ。
美徳をなくしてはならない。


それにしても全人口の平均年齢が55歳、というのも未曾有の事態である。
そうした人口ピラミッドの国は、どのようなエネルギー消費で生活し、

高齢者はどのような産業に従事して何歳まで働くのか。
高齢者が付加価値を発揮する新たな分野を作り出せるか。
外国人労働者との協業をどう採り入れるのか。
老老介護、のような仕組みをどう構築するか。

そんなことを、本当に「既存のシステム」から脱して考えねばならない時期が迫っている。
昨年の震災は、日本人には大きな価値観の揺さぶりを与えたが、自分たちはそうした「大ショック」がなければなかなか変わることが出来ない、という一面を確かに持っている。
今先進国の債務危機が叫ばれているが、国や行政が「ほぼ手遅れ」で対応をするのを待つのではなく、自分たち民間ものは、そろそろ腰を上げて「自らごと」で先へと踏み出さねばならないと思う。
今年は本当にそんな気がする。

yomidr.コラムより将来推計で見る高齢化
高齢者が急速に増えているそうですが、将来どうなるの?

年とっても「支える側」に
国立社会保障・人口問題研究所が1月に公表した「日本の将来推計人口」によると、日本は50年後、10人中4人が高齢者、5人が現役世代、子どもはたったの1人という社会になる。65歳以上の高齢者人口が、2060年に3464万人に増える一方、現役世代である生産年齢(15〜64歳)と、子ども(0〜14歳)が激減。総人口に占める高齢者の割合(高齢化率)が、23%から39・9%へ上昇する一方、現役世代は50・9%、子どもは9・1%へ下がるためだ。
 しかも、単に高齢者が増えるだけではなく、単身の高齢者が増えると予想される。背景には、非婚化の進展がある。将来推計では、50歳の時点で一度も結婚したことがない人の割合を示す「生涯未婚率」が、女性の場合、60年に20%を超える。同研究所の別の推計では、男性も、30年には29・5%に達する見込みだ。
 また、雇用労働者の約3割が非正規で働いている現状を考えると、今の現役世代が年をとった時、貯蓄が十分でなかったり、年金が少なかったりする場合も多くなるとみられる。
 さらに、女性は男性より寿命が長いことなどから、高齢女性が、10年の1692万人から、60年には1964万人へと増える。総人口に占める高齢女性人口の割合も、10年は13・21%だが、60年には22・65%に上昇する。21世紀は「おばあさんの世紀」と言われるが、その傾向がより顕著となる。だが、女性は男性よりも、現役時代の収入や、年金額が少ない場合が多い。単身で貧しい高齢女性が増えるという懸念もある。
 推計では、日本の社会全体が高齢化していく現状も分かった。全人口の平均年齢は、10年の45歳から、60年には54・6歳に上昇する。
 日本は今後、高齢者が急増する一方、社会保障を支える現役世代が減っていく。政府の「高齢社会対策の基本的在り方等に関する検討会」は今月23日、65歳以上を一律に「高齢者」とするのを改める内容の報告書案をまとめた。年をとっても、働く意欲や能力のある人に「支える側」に回ってもらう社会を作るためだ。国民みんなで、厳しい超高齢時代に立ち向かう必要がある。(安田武晴)
(2012年3月1日 読売新聞)