藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

できるかどうか、ではなく。

「結婚できない?」母親のほうが不安。という産経MSNの記事より。
(こうした記事を全部引用するのは、数ヶ月で全部web上から消えてしまうからである)

もう何十年も前からこの結婚できるか、の「できる」という部分に違和感を感じていた。
「できる」という表現には「できた方が良い」というニュアンスが付きまとう。
親孝行できるか?とか、出世できるか?とか、成功できるか?、とか。
それらと同列に「結婚できるか?」というのを並べるのは「そういうものなのか?」と子供のころから思っていた。

だって周囲には「結婚はしたけれど…」という以下の文言に必ずしも幸せな言葉ばかりが並んでいないことに気づいていたからである。

「結婚できないかもしれない不安があるかどうか?」というアンケートにはそもそもその常識を疑う。
結婚するかしないか? という前提がなく、結婚したい!と明確に希望している人にだけ聞くべきだろう。

さらに結婚だけが目的ではない人も多い(あるいは結婚が自分にとって良いのかどうか考え、躊躇している人)証拠に「適当な人に巡り合えない」というのがトップに上がっている。
どんな結婚生活か明確に描かないのに「結婚ありき」で考えると本末転倒であるのは言うまでもない。
さらに「経済的に余裕がない」。
ひと昔前も、結婚するときに十分な収入のある人はどれだけいたろうか。
ともかく二人で家庭を持つ、というのが動機で、そのためには経済的にはなんでもやろう、というのがものの順序であったはず。

妾を持つわけでもなし、まず収入から考える、というのも「大して結婚そのものが人生の最重要事項でなくなっている」ということではないかと思う。

自分の狭き交友の輩を見ても、
早くして結婚したもの、しないもの。
子供のいるもの、多産のもの、子供のいないもの。
夫婦仲の良いもの、悪いもの。
結婚しないカップル。
独り者。
その其々に、それぞれの立場×「(現状に幸せ)or(不幸せ)」で現在のステータスが決まっている。

結婚したかどうか、だけで何かの「人生を計る」ようなことが可能かのような風潮には大きな疑問を感じる。
どうせなら、もう少しましな満足度調査でもやってはどうだろうか。

(9)「結婚できない?」母親のほうが不安
2012.6.18 08:14 MSN[ライフスタイル]
20〜40代の独身男女に、「結婚できないかもしれない不安があるか」を聞いてみたら、「ある」と明確に答えた人が4割強。「やや不安」まで含めれば65%近くが心配していました。特に女性の20代、30代、男性の30代に不安は強く、男性はどの年代も6割以上不安を持っているのに対し、女性は30代後半から40代になると、あまり心配しなくなるのが特徴的でした。
一方で母親に同じ質問をしたら、強い不安こそ少ないものの、不安な人が75%と、子供の思いを1割上回る結果に。独身でいる理由は男女とも「出会う機会が少ない」「適当な相手にめぐり合えない」が2大理由ですが、男性30代、40代は「経済的な余裕がない」がトップになるのが切ないところ。親はこの理由には想像が及ばず、出会う機会がないのだろうと親の婚活も盛んになる一方です。
婚活支援サービス「リビングマリアージュ」でも親のためのイベントが盛況で、7月12日には「親の大婚活バスツアー」なる1泊2日のセミナーイベントも予定。親もボヤボヤしていられない時代です。(リビングくらしHOW研究所 植田奈保子)