藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

バブルの先。

あまり悲観的なことばかり言うとへそ曲がりなヤツ、と思われるけれどどのメディアを見ても聞いても数字をみても、「良くなっている」という長期的な兆候よりは「かなり短期的」な話ばかりが目立つ。
不思議なのは「分かってはいるが、今はこの波に乗らないと」という"取りあえず派"ばかりなこと。
年度末のいま時分は、来年度のエコがらみの補助金の話題で持ちきりである。
本当は「補助金がなくても続く仕事」を志向せねばならないのに、取りあえずいただけるものはいただく、というその姿勢は、結局はわが身を救わないだろうと思う。

将来、今年のアベノミクスを振り返って、一体どのような評価になるのか、「日本経済V字回復の立役者」というストーリーではないと思うのだが、まあそんなことを感じつつ、ちにあしを着けることを忘れずにいたいと思うのであった。

アベノミクスって、なに?:38)財政編 景気刺激に使うお金はあるの?

 アベノミクスでは、政府が景気をよくするために気前よくお金を出す。だが、日本の財政(ざいせい)にはあまり余裕がない。

 政府が背負う借金は2013年度末で750兆円に達する見通しだ。

 これは、日本経済が1年間に生み出す国内総生産(こくないそうせいさん)(GDP)の約1・5倍にもなる。国民1人あたりでは、約589万円の借金を負っている計算だ。

 政府は「国債(こくさい)」を発行してお金を借りる。5年や10年後に返すことを約束した国債を、金融機関などの投資家(とうしか)に買ってもらうのだ。

 なぜ借金がふくらんだのだろうか。それは、1965年度から毎年の政府の歳出(さいしゅつ)(支出)が、国民から集めている税金の収入を上回ってきたからだ。政府はこの差を借金で埋めてきた。

 とくにバブル経済が崩壊(ほうかい)した後の90年代に借金は増えた。公共事業(こうきょうじぎょう)で景気をよくしようと100兆円を超えるお金を景気対策につぎこんだからだ。最近は、高齢化が進んで医療や介護などの社会保障費(しゃかいほしょうひ)が毎年1兆円近く増えていることも拍車(はくしゃ)をかけている。

 それでもアベノミクスでは景気対策のために総額13・1兆円の今年度補正予算(ほせいよさん)を組み、新たに7・8兆円の借金をした。これで今年度の借金額は過去最大規模の52兆円にふくらんだ。さらに13年度予算案も総額92・6兆円になり、このうち43・0兆円を税収、42・8兆円を借金でまかなう。

 確かに公共事業によって目先の景気はよくなる。だが、ふくらんだ借金を放っておくとどうなるか。

 借金が増えれば投資家からの信用がなくなり、国債の買い手がつきにくくなるおそれがある。新たな借金ができなくなったり、信用がない分、借金につく金利(きんり)が高くなったりする。

 13年度予算案ではこれまでの借金の返済費が22・2兆円に達している。このうち金利の支払いだけで約10兆円にもなっている。

 今は金利が年1・8%と低いからまだいい。1%幅でも上がれば約4兆円、2%幅上がれば約8兆円増える。金利を払うだけで20兆円近くになる可能性があるのだ。借金は雪だるま式に増えて財政再建は遠のく。

 そうなれば、国民には、借金を返すためにさらなる増税(ぞうぜい)が待ち受ける。すでに、14年4月からの消費増税(しょうひぞうぜい)が決まったばかりだ。

 また、国債金利が上がれば、金融機関からお金を借りる時の金利も上がっていく。企業がお金を借りにくくなったり住宅ローンを借りにくくなったりして経済やくらしに影響が出る。

 「いつまでも財政出動を続けるわけにはいかない。財政に対する信認(しんにん)を確保していくことも重要だ」。麻生太郎(あそうたろう)財務相も、今国会に13年度予算案を出した時の演説(えんぜつ)でこう認めている