藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

猛吹雪の中で

忘れもしない90年。
銀行の担当者が自分の勤めていた会社にやってきて
「今ならいくらでも貸しますよ」「すぐに三割り増しで売れる土地があります」と言っていた。
いくら鈍い自分でもピンと来た。
何かしらヘンなことが起きているな、と。
こうしてその翌年に株価は半分になり、そこから相場は乱高下して何度かの大下げになっていった…

そして今。

国際金融協会によると世界の政府部門が抱える負債は昨年9月末時点で63兆ドル(約6800兆円)と最高を更新中。
政府部門の負債は金融機関を上回る。世界全体の国内総生産(GDP)に対する政府債務の比率は、金融危機前の6割から9割に上昇した。

借金しすぎ。
GDPなんて売り上げみたいなもんだから、全部が利益ではないのに。
売り上げと借金が同額になったらどう考えても危ない。

中央銀行がどこもお札を刷りまくっているだけなら、徐々にお金の価値が薄れていくだけなはず。
けれど借金にしたり、それに利率をつけて売買するから「それ」に巣食う人たちが出てきてしまう。
そして「てこ」を効かせて何百倍にもしたりする。
見た目をお金じゃないものにもしたりする。

結局「実生活」は無くならないけど、いろんな「あると思っていたものの価値」がかなり下がる世界がいよいよ訪れそうだ。
そんな中で、粛々と生きていける仕事や価値観をいよいよ準備しておく必要があるなぁと思っている。

世界の政府債務10年で2倍 大規模緩和でひずみ拡大 【イブニングスクープ】

 米ダウ工業株30種平均が史上最大の下げを記録した翌日の6日。余波はギリシャに及び、この日予定していた7年国債の発行をいったん延期した。リスク回避が投資家の間で強まり、信用力の低い同国債の利回りが跳ね上がったからだ。

イブニングスクープ

翌日の朝刊に掲載するホットな独自ニュースやコラムを平日の午後6時ごろに配信します。

 財政危機に陥ったギリシャ国債市場に復帰したのは2017年夏。カネ余りを背にした国債発行で財政を再建し、国際支援から脱する腹づもりだった。だが、そのシナリオは米国発の市場動揺で揺らぐ。ギリシャへの逆風は、緩和マネーをあてにした各国財政政策への不安と重なり合う。

 国際通貨基金IMF)のまとめでは、191カ国のうち174カ国が財政規模を拡大中だ。財政悪化への懸念をものともせず、投資に前のめる国は多い。

 「ビルド・ビルド・ビルド(造って、造って、造ろう)」。17年末、フィリピン・マニラの北西約80キロメートルの米軍基地跡地に関係者が集まり、熱気に包まれた。パリ市並みの敷地にビジネス街や住宅地を整える巨大プロジェクトが動き出す。

 仕掛けたのは、過激な発言で民衆の人気を集め、「フィリピンのトランプ氏」と呼ばれるドゥテルテ大統領だ。22年までに8兆ペソ(約17兆円)を投じる計画を掲げ「インフラ黄金時代を迎えた」と叫ぶ。一連の投資で年200万人の雇用を生みだし、国民所得を押し上げると宣伝する。

 金融危機後の景気テコ入れを狙い、各国政府は財政のアクセルを強く踏んだ。お金をため込むばかりの企業・家計に代わる最大の使い手として振る舞い、マネーの奔流を勢いづかせた。

 減税や財政出動へ借金を重ねられた底流には中銀の金融緩和がある。中銀が大量の国債を買って金利を低く抑え込み、政府は資金繰りの心配から解放された。

 国際金融協会によると世界の政府部門が抱える負債は昨年9月末時点で63兆ドル(約6800兆円)と最高を更新中。政府部門の負債は金融機関を上回る。世界全体の国内総生産(GDP)に対する政府債務の比率は、金融危機前の6割から9割に上昇した。

 そんな図式は米連邦準備理事会を先頭にした緩和縮小で幕引きに近づく。だが政府は大盤振る舞いをそう簡単にやめられない。自国中心の大衆迎合主義(ポピュリズム)が広がり、国民に不人気な政策を取りにくいからだ。

 「我々の輝く土地に新たな道路や橋、鉄道をつくる」。米国ではトランプ大統領が1月末の演説で1.5兆ドルを投じる「インフラ再興」を宣言した。米与野党幹部は連邦予算の歳出上限引き上げで合意。過去最大の約20兆ドルと、GDP比で100%超に膨らんだ連邦債務はさらに重くなる。

 米金利の先高観を引き金とした世界同時株安は、大盤振る舞いの方程式が崩れる恐れをのぞかせた。大衆人気を追って政府がどんどんカネを使うひずみは限界に近づきつつある。