藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

アセット・ライト。

次の時代のキーワードかもしれない。

その心は「ここでは場所、時間、おカネへの依存が小さい生活様式として定義」という。
なかなか、これからの時代の低エネルギー、ロハス社会にぴったりな意味づかいではないだろうか。

音楽視聴や宿泊(ホテル)、教科書などの書籍やカーシェアなど、これまでは「固有」されていた資源たちがどんどん効率化されていく。
まだまだ自分たちは周囲の人とシェアするものがありそうである。
例えば酒場の一升瓶とか。

さらに、筆者は「再創造すべきものはまだまだある」と指摘する。
筆者はそれを"空白分野"と呼んでいる。
なんと"空白"である。(英語では何と言うのだろうか・・・)

米国人は一日平均52分を自動車内で過ごしている、とか
テレビは一日3時間以上視聴、とか
・音声、財布、医療、自動車、教育などを空白分野、と指摘している。

このレポートを読んで、業界にいながらも結構「アップアップしていた」感じのあるウェブの現在の様子がはっきりしたように思う。
ぜひ原典にもあたってみたいと思う。

3章では「アセットライト世代」と題して今後の変化を予測している。
■ネットは生活様式をがらりと変える
 「アセットライト」とは、日本の家電メーカーが自社工場を減らして生産を外部委託するという文脈でも使われるが、ここでは場所、時間、おカネへの依存が小さい生活様式として定義。それを可能にするベンチャーもここで取り上げている。
 音楽ではCDを購入して自ら保有し、専用プレーヤーで再生するのがかつての常識だったが、定額制ストリーミングサービスの英スポティファイやネットラジオの米パンドラが台頭。ビデオでもストリーミングの米ネットフリックスやグーグル傘下の動画共有サイト「ユーチューブ」の存在感が高まっている。
 宿泊では、伝統的なホテルに代わり、ネットを通じて個人間の貸し借りを仲介する米エアB&Bが人気を集める。自動車では保有に代わってカーシェアリングの米ジップカーなどが伸び、スマホを通じて近所にいる人に買い物や掃除を依頼できる便利屋仲介サービスの米ザーリーなどで利用者は時間を節約できる。
 米アマゾン・ドット・コムや米チェグが運営するレンタルサービスにより、高価で一時的にしか使わない教科書を購入しなくてすむようになる。米スクエアなどのスマホ決済サービスを使えば現金やクレジットカードが不要になり、米オーデスクなどはネットを通じて企業が必要に応じて労働力を確保できるサービスを提供する。
 そうした実例にとどまらず、同リポートは「再創造すべきものはまだまだある」と指摘する。
■音声、財布、医療などが空白分野
 空白分野として(1)音声関連(2)自動車(3)テレビ(4)財布(5)教育(6)医療――を紹介した。音声はブルートゥースなどを活用した高性能なデバイスや米アップルの音声認識技術「シリ」など。米国人は1日平均52分を自動車内で過ごしており、この時間の改善余地があるという。
 テレビにも1日3時間以上を費やしているが、デバイスやインターフェースはもっと改善されると主張する。財布に関しては米国では6億枚以上のクレジットカードが流通し、1人平均3〜4枚を保有する計算。さらにポイントカードやクーポン券などで財布が膨れあがっているという事情がある。教育や医療の高コスト構造も改善対象だ。
 著名な証券アナリストだったミーカー氏は、11年からKPCBに転じており、リポートで取り上げた実例が同社の出資先にやや偏っているきらいもある。
 だが、報告書の説明は毎回、イベントの出席者にも好評なほか、しばしば厳しい見方を示すブログメディアの間でも「必読」(ベンチャービート)など高い評価を得ている。
 ミーカー氏はリポートのなかで「大規模なイノベーションが世界各地で起きている」と指摘しているが、ネットを中心とする技術革新に国境がなくなっているというのは多くの人に共通する感想だろう。
 リポートはクライナー・パーキンスのホームページ(www.kpcb.com)で公開されている。日本のネット業界関係者も目を通しておいて損はないはずだ。
シリコンバレー=奥平和行)