藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

普及のすごさ。

昔話をすると若い話は嫌がるけれど、それにしてもネットの普及と「端末の普及」がこれほどまでになるとは想像だにしなかった。

・世界のインターネット利用者は2012年に24億人。前年比8%増。
・08〜12年の増加数上位国には中国(2億8200万人)やインド(8800万人)。
・3位以下にはインドネシア、イラン、ロシア、ナイジェリアが入った。

スマホはもっとすごい。
・12年10〜12月期には世界の利用者が前年同期比42%増の11億4200万人
・12年のスマホの普及台数は約10億台で、携帯電話(約50億台)の2割程度。ゆえに、まだスマホは成長余地が大きい」との見通し。
・世界のネット通信量に占めるモバイルの割合は1%→13%へ。(09年12月にわずか1%だったが、12年11月には13%。
・インドでは12年5月にモバイルの通信量がデスクトップ経由を上回る。

<モバイル>
・モバイルを通じた課金も進み、アプリ(応用ソフト)と広告の合算で12年に市場規模が190億ドル(約1兆5700億円)になる見通し。08年から12年までの年平均成長率は129%に達する。
・広告でもモバイルが有望との見方。11年の米国の広告費のうちモバイル向けは1%。一方、消費者がモバイルに費やす時間はメディア視聴時間の10%。ここにギャップ(成長余地)がある。
<個人用OS>
・興味深いのは個人向けコンピューターに占めるOSのシェアの変遷。パソコン全盛の98〜05年は米マイクロソフトの「ウィンドウズ」が96%を占めていた。
・12年にはアップルの「iOS」とアンドロイドの合計が45%に達し、ウィンドウズは35%まで低下する見通し。

まだ入り口

こうしてみると、もちろん60年代からのコンピューターの発展の歴史はあるけれど、「普及率とか通信量」という切り口で見ると、80年代から2000年までも目覚ましいが、さらに2000年からの十数年、つまり今がまだ「成長点の入り口」かもしれないことが分かる。

過去を振り返り、もう「伸びしろ」は伸び切ったのではないか?といつも思うがこうした分析を並べてみると、"ユビキタス通信"の時代はまだこれからの応用分野なのだ、というような視点を持つことができる。
もう今でもタブレットを使ったり、Wi-Fiを空気のように使ったり、という時代になりつつあるが、更なる情報化の時代をこれから迎える、という心構えの方がよさそうである。(つづく)

「ネットの女王」が語る未来の社会 テレビ・車・教育を「再創造」
2012/12/17 7:00ニュースソース日本経済新聞 電子版
「インターネット・トレンド」を発表したメアリー・ミーカー氏(KPCB提供)

 米大手ベンチャーキャピタル(VC)、クライナー・パーキンス・コーフィールド&バイヤーズ(KPCB)のゼネラルパートナー、メアリー・ミーカー氏が毎年恒例のリポート「インターネット・トレンド」を発表した。同氏は1990年代から証券アナリストとしてネット業界に携わり、「ネットの女王」と呼ばれる。業界の第一人者の目に映るネットの現在と未来とは――。
 ミーカー氏はこのほど、米スタンフォード大学カリフォルニア州)で開かれたイベントに出席し、リポートを発表した。「基本統計」「再創造(リ・イマジネーション)」「アセットライト世代」の3章から構成されている。
スマホの成長余地はまだ大きい
インドにおけるインターネットトラフィック(KPCB、メアリー・ミーカー氏の発表資料から)
アンドロイドとiOSの発売から4年間の累積出荷台数(KPCB、メアリー・ミーカー氏の発表資料から)

 まず基本統計。世界のインターネット利用者は2012年に24億人に達し、前年比8%増えたという。けん引役となっているのは新興国で、08〜12年の増加数上位国には中国(2億8200万人)やインド(8800万人)が並ぶ。3位以下にはインドネシア、イラン、ロシア、ナイジェリアが入った。
 ネット利用者よりも高い伸び率を示しているのがスマートフォンスマホ)だ。12年10〜12月期には世界の利用者が前年同期比42%増の11億4200万人、普及率は17%に達する。国別では中国が最も多く、2億7000万人。2位以下は米国(1億7200万人)、日本(7800万人)が続いた。
 モバイル機器の中で突出して普及ペースが速いのが米アップルの「iPhone(アイフォーン)」だ。
iPodiPhoneiPadの発売から2年半の累積出荷台数(KPCB、メアリー・ミーカー氏の発表資料から)
 携帯メディアプレーヤーの「iPod(アイポッド)」、iPhone、そしてタブレット(多機能携帯端末)の「iPad(アイパッド)」の発売直後から2年半の間の出荷台数を比べると、発売時期が最近になるほど普及のペースがあがっていることが分かる。
 iPadはiPhoneの3倍、また米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載したスマホの普及スピードはiPhoneの6倍という。12年のスマホの普及台数は約10億台で、携帯電話(約50億台)の2割程度だが、「まだスマホは成長余地が大きい」と結論づけている。
 米国ではタブレットの普及率(成人に占める所有者の割合)は09年4月時点で2%にすぎなかったが、12年1月には29%まで急増した。
■「クリスマスに欲しい」のはiPad
パソコン、スマートフォンタブレットの普及台数(KPCB、メアリー・ミーカー氏の発表資料から)
 また米国の子供(6〜12歳)を対象にした調査によると、クリスマスに欲しい商品として1番人気が高いのはiPadで、任天堂の家庭用ゲーム機などを上回る。これらもモバイル市場の先行きを楽観視する根拠になっている。
 モバイルの急速な普及はネットの利用形態を変えている。世界のネット通信量に占めるモバイルの割合は09年12月にわずか1%だったが、12年11月には13%まで増えた。インドでは12年5月にモバイルを介したネットの通信量がデスクトップ(パソコンなど)経由を上回っており、こうした動きがほかの地域にも広がるとみる。
■アプリと広告は今後も伸びる
世界のモバイルアプリと広告の売上高(KPCB、メアリー・ミーカー氏の発表資料から)
 モバイルを通じた課金も進み、アプリ(応用ソフト)と広告の合算で12年に市場規模が190億ドル(約1兆5700億円)になる見通し。08年から12年までの年平均成長率は129%に達する。
 米年末商戦の幕開けを告げるブラックフライデーのネット小売りの売上高のうち、モバイル経由は12年に24%を占め、10年の6%から急増した。
 広告でもモバイルが有望との見方を示している。11年の米国の広告費のうちモバイル向けは1%。一方、消費者がモバイルに費やす時間はメディア視聴時間の10%に達しており、ここにギャップ(成長余地)がある。
 ネット全体でも同様の傾向が見られ、各メディア向けの広告費が視聴時間と同じ割合で投下されるとすると、モバイルとネットで200億ドル以上の市場拡大の可能性があるという。
 2章では「再創造」というキーワードを使って世の中の変化を描き出した。「新しいデバイス、通信、ユーザーインターフェース(UI)、美的感覚などが、ほとんどすべてのものを変える」ということを同章で伝えようとしている。