藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

曖昧な定義。曖昧な理屈。問われる自分。

先の震災はいろんな意味で「初めて」の脅威を日本中に与え、また今後の姿勢にも深い影響を与え続けている。
あの時は誰しもが「脱原発」だったのに、今は政治も国民も揺れいている。
感情だけの問題ではないからである。

また自分たちは「一体どれほどの脅威」にまで備えればいいのか、ということについても自分たちは考え、判断せねばならない。
そんな難しい決断もしていかねばならないのである。

電気を極限まで使わぬ生活をするか、
日本の全海岸線に高い堤防を作るのか、
海沿いの低地に住むのを止めるのか、
活断層の上には建物を建てないのか、

人の出す方針に「いかがなものか」とただ言うは易い。
が自分たちは決断し、その中身に責任を持たねばならない。

聞けば、活動性ではない地層は「死断層」といわれ、一番新しくとも"12万年前以前"に活動したものだという。

果たして"活断層か否か"ということがこれからの我われのエネルギー政策の土台にあるべきなのかどうか。

津波はともかく、今回の原発事故は「電源の完全喪失」が致命的だったことはその後の調査で明らかになっている。
議論を「安定停止させる原発」に戻すという考え方はないのか?
「ない」のなら脱原発の中で最良の選択をするしかないが、それならばあまり「国際競争力」とか「国内生産」とか、そこだけドメスティックなことを言うのは片手落ちというものだろう。

国民が一致して「低エネルギー」を飲み込まねば、ばらばらの議論が続き、時間だけが過ぎてゆくばかりである。
今のように、多事争論、「ある反対意見」に引き摺られているばかりでは、とてもじゃないが全体が進まない。
こういう事態は、小さな会社の中でも頻繁に目にすることなのだ。
活断層か否か」を日本中を調査しているうちに、また次の震災が起こるかもしれない。
(同様に、あと数百年は起こらずに、ずっと「活断層論議」をしているかもしれないが)
活断層の上じゃなくても、電源を失えば原子炉は危険だし、また廃棄物処理の問題は永年に取り組まねばならない課題なのである。


くれぐれも、「着地点を見据えた議論」を、若い人たち覚えてもらわねばこれからの時代を能動的に生きていけない。
それを伝え、教えることこそが大人世代のミッションではないだろうか。

活断層」とは何ですか?将来も活動すると推定される活動的な断層のことを指します。
 断層は、地殻に大きな力が働き、地層や岩盤が破壊されて地層が断ち切れ、これに沿って地層が互いにずれたものです。
 このうち、過去に何度か断層運動を繰り返し、将来も活動すると推定される活動的な断層が「活断層」とされています。ただ、この「過去」がいつ頃かということは、地質時代の第四紀(180万年前以降)と第四紀後期(約12万年前以降)に分かれているようです。ちなみに、活動性がないものは「死断層」といわれています。
阪神・淡路大震災で注目 活断層が社会的に注目されたのは1995年1月の阪神・淡路大震災でした。明石海峡の地下16キロメートル付近で断層の一部が破断し始め、ここから断層面の破断が、北東の六甲山麓方向と南西の淡路島方向に進行していきました。神戸市などの都市を襲った直下型地震となり、甚大な被害を出しました。
 六甲山麓方向には地盤のずれは見つかりませんでしたが、淡路島では野島断層と呼ばれる活断層がずれを起こし、断層が地表に現れました。これは「縦ずれで、逆断層運動」でした。
 断層の変位様式は、上下方向にずれる「縦ずれ断層」と水平方向にずれる「横ずれ断層」とに分けられます。縦ずれ断層の場合、断層面を境にして、上側の地塊を上盤、下側の地塊を下盤と言いますが、上盤がずり下がったものを「正断層」、ずり上がったものを「逆断層」と呼んでいます。横ずれ断層の場合、片側の断層に立っている観測者から見て、もう一方の断層が右にずれるものが「右横ずれ断層」、左にずれるものが「左横ずれ断層」と言われています。したがって、野島断層は、上盤がずり上がったことになります。
原発敷地内の断層は活断層か 最近では、原発敷地内の断層が活断層であるのかどうかが問題となっています。日本原子力発電敦賀発電所2号機原子炉建屋の地下にある断層が、原子力規制委員会有識者会合で活断層の疑いが強いとされています。このため、停止中の同2号機は、原発の重要施設の下に活断層がある場合は運転ができないという耐震設計審査指針に触れ、運転停止(廃炉)になる可能性が高まっています。日本原電は、「活断層ではない」として調査資料を提出するなどしていますが、有識者会合のメンバーを納得させていません。
 このまま推移すると、同2号機は廃炉となってしまうかもしれません。また、敦賀発電所には1号機下にも断層があり、今後調査が進められますが、仮に活断層とされると、1号機も運転できなくなります。さらに、1、2号機が運転不能となると、計画中の3、4号機にも影響を与える恐れがあります。
 (調査研究本部主任研究員 三島勇)
(2013年3月22日 読売新聞)